【コラム】初めてダバオでジープに乗った日のこと(前半)


谷口 知司(たにぐち ともじ)
1955年生まれ。元京都橘大学現代ビジネス学部ならびに同大学院文化政策学研究科教授。
東北大学大学院教育情報学教育部博士前期課程修了 博士(文化政策学)専門 観光学、文化情報学。
初めてダバオを訪問した時からそのポテンシャルを感じ、ダバオ観光の発展を願っているダバオファン。ダバオッチ創設者ハセガワ氏は彼がまだNGOに勤めていた頃からの友人である。
主要著作に、『ひろがる観光のフィールド』(共編著、晃洋書房、2020年)、『これからの観光を考える』(共編著、晃洋書房、2017年)、『デジタルアーカイブの資料基盤と開発技法』(共編著、晃洋書房、2016年)など。


2011年の8月にミンダナオ国際大学を訪問した後の数日間、ダバオに滞在した。NGOの職員だったダバオッチの長谷川さんの配慮で、その内の一日はミンダナオ国際大学の学生がダバオの町を案内するということで、私のアテンドをしてくれることになっていた。MKDの前で待ち合わせていた私に、「谷口先生ですか」と声をかけてきたのは、2人の女子学生であった。多分、その後二人は自己紹介をしてくれたのだと思うが、名前などは憶えていない。ただ記憶の中にあるのはとても明るく、そして笑顔のはつらつとした女子学生たちだったということである。

ミンダナオ国際大学

彼女たちはまず型通りに、「先生どこか行きたいところはありますか」と質問してきた。私は、「あなたたちが私を案内したいと思うところへ連れて行ってほしい」と言った。すると彼女たちは即座に、「じゃー、クロコダイル・パークへ行きましょう」と答えた。長谷川さんから今回の話を依頼されてから、初老の日本人をどこに連れて行けばいいのか、二人はかなり悩んだようであるが、実のところ、この時点ではクロコダイル・パークを案内すると決めてきていたようである。

その後、MKDの前で拾ったタクシーに乗った。ご存じの方も多いと思うが、当時でもダバオのタクシーは、ほぼ全車に料金メータが装備されており、フィリピンの他の都市でよく見られた“ぼったくり”もなく、おつりもきちんと返ってくる。特にこちらが気を利かせない限りチップの要求もない。マニラでの空港ターミナル間移動などで使ったタクシーで、とんでもなく嫌な思いをしていた私にはとても同じ国とは思えなかった。

ダバオのタクシーは水色、黄色、ピンク、黒、白などカラフル