4月22日(木)、フィリピン観光省(DOT)のプヤット長官は、フィリピン情報局ダバオ支部(PIA)が運営するフェイスブックを利用したプレスカンファレンスにおいて2020年コロナの影響によって生じたダバオ地方における観光産業への損害実態を公表した。
同省によると、観光産業の活動が許可されているのは新型コロナ省庁間タスクフォース(IATF)が定める緩和された一般コミュニティ隔離(MGCQ)エリアのみで、規制の影響も受けた結果、2020年ダバオ地方の観光産業における収入は34億ペソで、コロナ前2019年の収入542億ペソから93.7%減少したとしている。
プヤット長官は、緩和された一般コミュニティ隔離(MGCQ)エリアにおいてはできるだけ多くの国内観光が一刻も早く再開できるよう観光省としては望んでいるとしながらも、観光活動を許可するかどうかは地方自治体の判断に委ねられていると述べた。
観光省(DOT)は観光産業は甚大な損害を受けているとして、新型コロナウィルスの影響で仕事が減ったあるいは失業したダバオ地方の観光業に従事する労働者およそ24,000人に対して1億1890万ペソの現金支援を準備していると述べ、対象にはトライシクルドライバーやマッサージ師等の観光業に関連する業種も含まれるということである。
同省ダバオ地方支部によると、同地方では新型コロナウィルスの影響で現在まで41か所のホテルやリゾートが閉鎖あるいは一時閉鎖に追い込まれているという。先月31日にはダバオ市のアポビューホテルも閉鎖、昨年9月にはグランドリーガルホテル、6月にはマルコポーロホテルも閉鎖している。
フィリピン全体で新型コロナウィルスワクチン接種のスケジュールが遅れ、マニラ首都圏を中心に第二波が到来し一日当たりの新規感染者は1万人を超える日もある中、国内観光が再開できる見通しは立っておらず、観光業が本格的に回復するのは2022年以降という見方が強い。