【コラム】日本人が誰も知らない世界遺産「ハミギタン山地野生生物保護区」


谷口 知司(たにぐち ともじ)
1955年生まれ。ミンダナオ国際大学客員教授 元京都橘大学現代ビジネス学部ならびに同大学院文化政策学研究科教授。
東北大学大学院教育情報学教育部博士前期課程修了 博士(文化政策学)専門 観光学、文化情報学。
初めてダバオを訪問した時からそのポテンシャルを感じ、ダバオ観光の発展を願っているダバオファン。ダバオッチ創設者ハセガワ氏は彼がまだNGOに勤めていた頃からの友人である。
主要著作に、『ひろがる観光のフィールド』(共編著、晃洋書房、2020年)、『これからの観光を考える』(共編著、晃洋書房、2017年)、『デジタルアーカイブの資料基盤と開発技法』(共編著、晃洋書房、2016年)など。


世界遺産「ハミギタン山地野生生物保護区」は、情報網羅型観光情報誌「地球の歩き方」フィリピンに、「2014年、ユネスコの世界自然遺産に登録された。ミンダナオ島の南東部、プハダ半島Pujada Peninsulaに広がる、標高75~1637m、面積約160平方キロメートルのエリアで、ここでしか見られない固有種が多い」ときわめて簡単に説明されている。

別の文献では、この敷地内には、標高によって様々な異なる陸生と水生の両動植物が存在し、ハミギタン固有種は8種あり、絶滅危機にある木や植物、象徴的なフィリピン鷲やコカトゥーと呼ばれる鳥も生息していると記されている。

ハミギタン国立博物館

ダバオから、世界遺産の玄関口になる街マティへは、ダバオッチの過去の記事によるとバスで片道約6時間とある。ところで、周知のことであるが、世界遺産には文化遺産、自然遺産、複合遺産があり、ここハミギタン山地野生生物保護区は自然遺産である。

もとより、世界遺産は観光を目的として設定されたものではなく、「地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から現在へと引き継がれてきたかけがえのない宝物」であり、「現在を生きる世界中の人びとが過去から引継ぎ、未来へと伝えていかなければならない人類共通の遺産(ユネスコ)」のことである。