ミンダナオ島には、フィリピンで最も標高の高い「アポ山」がある。そのフィリピンの象徴とも言える山で、ゴミが多く捨てられ、山の一部である岩が破壊された痕跡が確認されている。この現状を改善しようと、登山ルールが変更になるなど、対策が取られている。
2月15日、 環境天然資源省(DENR)第6地区代表のBagani Fidel Evaso氏は、アポ山のモニタリングチームが調査した結果、ごみが捨てられる等のルール違反を確認したため、トレッキングのルールを厳格化すると明らかにした。同チームが登山道やキャンプサイトの状況を確認したところ、空のペットボトル、マスクなどのごみが捨てられていたという。さらに、残念なことに、酒類のごみや、薬物を使用した痕跡が確認されただけでなく、大きな岩も砕かれていたという。
DENR第6地区は、「アポ山は、国中の人々が山の空気を週末に吸いに来る場所だ」と語ると、トレッキングを楽しむ人々にアポ山で義務化されているガイドラインをしっかりと守ってほしいと語った。そして、変更されるルールには、1日のトレッキング可能な人数を50人から25人に制限し、トレッキング前には問診票を提出し、検温をおこない、その他の感染防止対策を求めることが含まれる予定だ。
さらに、アポ山に竹を500ヘクタールの広さに植える計画も挙がっており、これについては今年の6月までに開始される計画だ。これは、アポ山が国立公園に指定されており、さらに緑を増やしていこうと意図して計画されたものだ。
国立公園であり、フィリピンの象徴ともいえるアポ山が汚されている事実は、看過できない。一人ひとりが自然を想い、行動に移していくことが重要だ。