こちらも竹の楽器、「トンガトン」です。これは単に節を残したまま切った竹の筒で、節のある方を下にして石に打ち付けると、ポン、と竹の中の空洞のぶんの波長で音がなるという単純な打楽器です。長さが違ったいくつものティノンゴンを大勢でポコポコと演奏すると、なんとも民族的な和音とリズムが偶然的に生まれます。ある民族では、昔これを戦争の前に行い、良い和音が出た場合のみ出陣し、音の交わりが気持ちよくなかったら出陣しない、という占いのような使い方をしていたそうです。
ちなみにトンガトンの原理を応用して、竹をうまい具合に切りそろえると、ドレミファソ…とこちらも音階が作れます。それを順番通りに並べて固定して私が作った楽器がこちら。木琴ならぬ「竹琴」です。サンダルでたたいて演奏します。乾いた竹さえあれば作るのはそんなに難しくないので、音楽教育の現場や、音楽ワークショップなどでこどもと一緒に作ったりするとすごく楽しいんじゃないかと思います。興味のある方はコロナが終わったら私を講師に呼んでください。(笑)