新型コロナウイルス対策のキャンペーンの効果を高めるために、ダバオ市役所は職員12,000人を「歩く広告」として活用する。ウイルスの更なる拡散を絶対に防ぐための取り組みのひとつである。
8月7日金曜日、ダバオ市長のサラ・ドュテルテ=カルピオ氏は、8月10日月曜日から職員が「ステイホーム・Tシャツ」と呼ばれる制服を着用するよう職員に要請する覚書回覧を発表した。その名の通り、Tシャツには「stay home」の文字が印刷されるという。サラ氏は、ダバオ市災害ラジオのインタビューで、職員のほとんどが街中で働いており、職員12,000人は「歩く広告」として活躍できると語った。
この取り組みの背景として、食料および薬のパス(FMパス)の使用や夜間外出禁止令の解除が挙げられる。サラ氏は、2メートルのソーシャル・ディスタンス、公共の場でのマスクの着用、除菌アルコールの携帯、必要な場合を除いた外出自粛などの「最小限の健康条例」が守られていないと述べている。制限解除前からも、これらの健康条例が守られていない状況があったことを踏まえると、さらに条例を守らない人が増えることが危惧される。同氏は「市民にまだ制限があることを訴える手段を色々考えているが、ほとんどアイデアも底をついてきている」とも述べており、頭を悩ませている様子が伺える。
「ステイホーム」キャンペーンの他にも、市政府は、市のホールの正面に2枚の巨大な垂れ幕を貼り、新型コロナウイルス対策の取り組みを訴えている。同氏は、さらに一般企業や施設にも同様の垂れ幕を、建物の正面に貼ってもらうように依頼していくということだ。「市民が新型コロナウイルス対策についてのTシャツや垂れ幕を見る機会が増えれば、市民の意識に訴えかけることができる。これらの取り組みは、市民が行動を振り返ることのできる大きな力になる」と、同氏は語っている。