【コラム】ダバオとの出会い~ ダバオを初めて訪れたときのことなど~(1)


谷口 知司(たにぐち ともじ)
1955年生まれ。ミンダナオ国際大学客員教授 元京都橘大学現代ビジネス学部ならびに同大学院文化政策学研究科教授。
東北大学大学院教育情報学教育部博士前期課程修了 博士(文化政策学)専門 観光学、文化情報学。
初めてダバオを訪問した時からそのポテンシャルを感じ、ダバオ観光の発展を願っているダバオファン。ダバオッチ創設者ハセガワ氏は彼がまだNGOに勤めていた頃からの友人である。
主要著作に、『ひろがる観光のフィールド』(共編著、晃洋書房、2020年)、『これからの観光を考える』(共編著、晃洋書房、2017年)、『デジタルアーカイブの資料基盤と開発技法』(共編著、晃洋書房、2016年)など。


私と妻幸子が初めてダバオを訪れてから10年以上は経っていると思う。ただそれがいつだったのか、当時の手帳や1年前に期限が切れたパスポートが所在不明のため、正確な日付がわからない。人の記憶などはそんなものかとは思うが、初めての訪問でダバオに向けて旅立った日のことや、その時ダバオで数日間過ごし、経験したことなどは鮮明に覚えている。

ダバオとの出会いを作ってくれたのは当時親しくお付き合いさせていただいていたS氏である。そして、私たち夫婦の初めてのダバオへの旅は彼に同行しての訪問であった。京都在住の私たちにとって関西空港発が便利だったが、東京在住のS氏に合わせ成田空港からマニラに向けて旅立つことにした。出発前日は成田空港の近くにホテルを取って万全を期したつもりであったが、あいにくなことに、その日関東周辺には大型の台風が接近していた。

東京までは順調に着くことができたが、そこから先が難儀した。なんと成田まで行く特急列車がすべて運休していたのである。間引き運転ではあったが、何とか成田空港行きの普通列車が運行されていて、それに乗ることができた。外は大雨と強風が吹き荒れ、この列車は本当に成田空港にたどり着くことができるのだろうかと大変不安になったが、雨風がさらに強くなり、徐行運転と一旦停止を繰り返した列車は、案の定、途中の駅で運転取り止めになってしまった。