【コラム】ダバオの観光発展とまちづくりはワカモノ、ヨソモノ、バカモノの三バカが重要なキーワード

2012年から2013年にかけて、当時NGOのメンバーであった、ダバオッチ創設者であるハセガワ氏の協力を受けて、ミンダナオ国際大学の4名の学生に、私が主宰していたNGOが奨学金の形で彼らの活動を支援することで、ダバオの魅力を紹介し興味を持ってもらうための日本語ブログ「ダバオへようこそ」を場とする情報発信を行う活動をした。

ダバオで暮らしあるいはそこで学ぶ若者たちが、自分たちの目線で地域を見つめ直しその魅力を発信するという活動は、ささやかなまちづくり活動でもあった。まちづくりという言葉は、今日では観光の範疇に収まらないより広義の概念として捉えられることが多くなってきたが、2000年代初頭にまちづくりの「三バカ」議論が盛んに行われた。ここで言う三バカとは「ワカモノ」、「ヨソモノ」、「バカモノ(彼らの大胆なアイデアや企画が、まちづくりにつながることもある。まちを愛している人で、無責任な壊し屋ではない)」のことであり、この三者がまちづくりにおいて重要な役割をはたすというものである。

ダバオ市の対岸サマル島の美しい海とビーチ

筆者は当の昔に「若者」ではなくなったが、「よそ者」であるとともに、大いに「ばか者」である。筆者もまたダバオの観光を中心とした地域活性化について幾許かの貢献ができるのではないかと考えている。「よそ者」であり、またかつて「若者」でもあり、さらに「ばか者」でもあったダバオッチ創設者であるハセガワ氏やミンダナオ日本人商工会議所会頭ミヤケ氏らが、最終的な責任を負わない傍観者としてのプランナーではなく「スグレモノ」としてこの町で果たしてきた非常に大きな貢献に比べると、ほんの些細なものに過ぎないであろうが。