保健省( Department of Health 以下DOH)ダバオ地方局は、フィリピンでのジフテリアの感染拡大に注意するよう、ダバオ市民にを促している。
ジフテリアとは、ジフテリア菌が感染することにより発病し、患者の10%近くが亡くなる危険性の高い感染症だ。気道の分泌物を介して感染し、発病すると、のどの痛みや甲状腺の腫れからはじまり、重度の場合は末梢神経の麻痺や心不全を引き起こす。ワクチンの接種により感染の確率は非常に低くなり、日本では1999年以降発生報告はされていない。
フィリピンでは今年に入り、ジフテリアの患者数が増加しており、9月にはマニラでジフテリアに感染した10歳の少女が命を落としている。またフィリピン全土で2019年1月から9月の間に、合計167名の患者が報告され、40名の死亡が確認されている。
DOHは、ダバオ市ではジフテリアでの死亡例は確認されていないが、引き続き注意が必要だと述べたほか、計3回の予防接種でジフテリアを含む百日咳や破傷風などの感染症を予防できるとして、特に生後12か月の乳幼児に予防接種を確実に行うよう国民に訴えかけた。
日本ではジフテリアの予防接種が義務付けられているため、日本人がフィリピンに渡航した場合も、感染を過度に恐れる必要はない。ダバオ市は健康と環境に配慮した都市づくりを目指しており、予防接種を徹底し、感染症の撲滅に力を入れるべきだろう。