現在ダバオ市が急ピッチで実現を目指している、ジプニーに代わるバス交通網のハイプライオリティーバスシステム(High Priority Bus System:以下HPBS)についてダバオ市は、2つの路線に計115のバス停を設置し、HPBSの第一段階の開始を目指していると発表した。この第一段階はInterim Bus System(以下IBS)と呼ばれている。
バス停は、既存の交通への影響が最小限となるように設置される。今年中に、69台のジプニーのみ運航しているCatalunan Grandeルート(メインロードは約400台)を25台のバスで代替するとともに、ジプニーの運航がないDiversion Roadで10台のバスが運航をスタートする計画だ。
IBSの予算は1億ペソで、土木工事に5千万ペソ、信号機などの補完工事に3千万ペソ、ジプニードライバーへの補償として2千万ペソを分配すると発表されている。
政府がCatalunan Grandeルートのジプニードライバーたちと補償に関する交渉を行った際、ドライバーたちは補償金を受け取ることに対して、積極的な姿勢を見せたという。現金による補償とは別に、HPBS計画によって影響を受ける市民に対しては、技術教育庁(TESDA)、高等教育委員会(CHED)、通商産業省 (DTI)およびその他の政府機関から、職業訓練を受けることができるという。
HPBSは、山積みの課題を抱える公共交通を、効率的なものに変えていく一大プロジェクトだ。それに先だってIBSが成功すると、プロジェクト全体がスムーズに進行するだろう。加えて、IBSの進行期間中の政府の最大の課題は、ジプニードライバーとその関係者の生活支援だといえる。彼らに注意を向けることで、潜在的な問題を発見し、今後の計画を制御していくことが可能になるだろう。