モロ(フィリピン南部のムスリムの総称)プリンセスの人形を購入することは、ミンダナオの人形産業の発展を助けるだけではなく、マラウィ市での戦争の被害を受けた女性たちの支援にもつながる。
「モロプリンセスの人形はただの玩具ではありません。マラウィの女性たちを再び立ち上がらせる手助けともなります」と女性の社会進出を支援する団体、 Alliance Development for Women Empowermentの責任者である、アシュリヤ・リンボナ氏は話した。
氏によると、マラウィ市の多くの女性たちが、人形作りに活路を見出しているという。女性たちの中には、戦闘が始まるまでは自ら商売をしており、順調な生活を送っていた人もいる。
マラナオプリンセス人形を作った、サピヤ M. マカランコムさん57歳は、マラナオ族の繊維事業のビジネスオーナーであり、地元では知られたカーテンメーカーであった。「マラウィの戦いが始まってから、私たちはビジネスも家も全てを失くしました」とサピヤさんは話した。彼女は繊維事業に9年間携わっている。ただ彼女の店自体は20年間続いていた。「店があったからこそ、私は成功しました」
彼女の数か月に及ぶシェルターでの避難生活は厳しく、イリガン市にある親戚の家に引っ越すという。ただ一方で、家族を養っていくためにも、マラナオプリンセスの人形を作っていくことを決めた。
サピヤさんの様な女性にとって、人形を作っていくことは、彼女たちの生活の立て直しに大きな役割を果たしていくことだろう。人形は一体3,000ペソで売られている。