「以前は停電になると、売り上げも一緒に止まってしまいました」と、ダバオ・デ・オロ州ラアク町バランガイ(行政区)ロンガナパンに住むサリサリストア(日用雑貨店)経営者は語った。
停電が発生すると、アイスクリームは溶け、飲み物はぬるくなり、客は早々に店を後にしてしまう。時には店を閉めざるを得ず、損失をそのまま被ることもあったという。
「しかし今、ダバオ・ライトがサービス拡大を始めたことで、私たちは希望を持っています。明かりが灯り続ければ、商売も活気づきます。そうなれば、家族や地域社会をよりしっかりと支えることができます」と彼女は語った。
電力が安定して供給されることで、営業時間を延ばし、商品の廃棄を減らし、より安定した収入を得られるようになると期待している。
長年にわたり、ダバオ・デ・オロ州の住民は、頻発する停電や電圧の変動、度重なるサービス中断に悩まされてきた。こうした不安定な電力供給は、小規模事業者や日常業務や事業の成長を電力に依存する在宅ワーカーの活動に深刻な支障を与えてきた。
しかし、その状況はまもなく変わる可能性がある。
共和国法第12144号により、ダバオ・ライト・アンド・パワー・カンパニー株式会社(以下ダバオ・ライト社)のフランチャイズ(事業権)は、コンポステラ、ラアク、マコ、マラグサン、マワブ、モンカヨ、モンテビスタ、ナブントゥラン、ニュー・バターン、パンツカンなど、ダバオ・デ・オロ州内の複数の自治体へと拡大された。さらに、この法律は、ダバオ・デル・ノルテ州のタギュム市やサマール島ガーデン市にも適用される。
この事業エリアの拡大により、インフラの改善、より安定した電力供給、さらには電気料金の引き下げが期待されている。
専門職人材が地域にとどまる選択
若手専門職にとって、安定した電力供給は進路やキャリアの選択と密接に関わっている。
ダバオ・デ・オロ州ナブントゥラン在住のITサポート職の男性は、「停電が起きると、仕事も止まってしまいます」と語る。彼はリモートワークで働いており、安定したインターネット接続が仕事を維持する上で不可欠だという。
「多くの若い専門職はダバオ・デ・オロにとどまりたいと思っていますが、不安定な電力供給が都市部での仕事を探す原因になっています。ダバオ・ライト社がより安定したサービスを提供してくれれば、ここを離れることなく、地元でキャリアを築くことができる」と期待を示した。
リモートワークやデジタルビジネスの拡大に伴い、安定した電力供給は、人材を留めるための重要な要素となっている。
日々の苦労から共有される希望へ
かつてはロウソクや懐中電灯に頼っていた地域社会にとって、ダバオ・ライト社の参入は転機となる可能性を示している。地元当局は、この事業拡大が投資誘致、経済活動の活性化、生活の質向上に不可欠であると説明している。ダバオ・デル・ノルテ州のエドウィン・ジュバヒブ知事も、この動きを公に歓迎し、長期的な発展を促進する可能性を指摘した。
移行と対立
しかしながら、移行は対立なしには進んでいない。
現行の電力供給事業者ノルデコは、ダバオ・デ・オロ州およびダバオ・デル・ノルテ州の一部地域での役割を主張し続け、フランチャイズ拡大に関する法的懸念や保留中の訴訟を理由に限られた地域での運営を維持している。
こうした対立があるものの、ダバオ・ライト社はインフラ整備を開始しており、新しい電柱やタギュム市の22メガボルトアンペアデジタル変電所など、拡大フランチャイズでの運営開始を示す設備を整えている。同社は、現在のノルデコの電気料金(1キロワット時12~13ペソ)に対し、平均約9.20ペソでの提供を約束している。
ダバオ・ライト社は、共和国法第12144号に準拠した事業運営であると説明し、事業の乗っ取りではなくパートナーシップであることを強調している。ネットワーク拡張と近代化のために約10億ペソを投じ、従業員の統合やサービス継続も約束している。
住民や小規模事業者、在宅ワーカーにとって、この問題は法的議論や料金の数字以上の意味を持つ。電力は日々の生活リズム、学習時間、事業の存続、投資や定住の決断に直結するからだ。
ダバオ・デ・オロでは、多くの人々がただ「明かりが途切れず、ようやく訪れるかもしれない機会」を待ち望んでいる。






