【News】北コタバト州とキダパワン市で銃撃戦ー土地紛争激化で武力衝突、7人死亡

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北コタバト州とキダパワン市の境界で7人が死亡した銃撃戦を受け、バンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域(以下BARMM)は、相反する証言が出ているとして、徹底した公平な調査の実施を求めている。事件は11月24日未明、キダパワン市バランガイ(行政区)マリナンで発生したもので、長年にわたる土地紛争が暴力化し、武力衝突へと発展した。

死亡した7人のうち5人はモロ・イスラム解放戦線(MILF)関係者とされる。

警察によると、銃撃戦は北コタバト州マタラムの境界付近で始まり、およそ30分続いた後、隣接するマリナンまで拡大した。断続的な銃声が続き、住民が避難を余儀なくされた。

BARMM「冷静さと適正手続きの順守を」

11月27日に発表された声明で、BARMMのアブドゥラオフ・マカクア首席大臣は、この襲撃を強く非難し、「いかなる生命の喪失も、われわれが掲げる『モラル・ガバナンス(倫理に根差した統治運営)』の下で維持してきた平和と信頼を脅かすもので、容認できない」と述べた。

また、現場の状況について食い違う証言があることを踏まえ、「事実の検証、責任の所在の特定、適正手続きの徹底のため、迅速かつ徹底した調査を求める」とし、法執行機関、和平プロセス関連機関、地方自治体、監督機関に対し、連携して公正・誠実な調査を行うよう呼びかけた。

さらにマカクア首席大臣は、「憶測や未確認情報の拡散を避け、調査が進むのを落ち着いて見守ってほしい」と市民に冷静な対応を求めた。

「武力衝突であり、虐殺ではない」

一方、州警察は地元メディアの取材に対し、死亡した7人は紛争中の土地に侵入した武装グループの一員であり、「虐殺ではなく武力衝突である」と説明した。

コタバト州警察署(CPPO)の報道官であるジェームズ・ウォレン・カアング警部補によれば、7人は土地の所有権を主張するために現地に入り、午前5時ごろ銃撃を受けたという。

7人はコタバト市およびマギンダナオ・デル・ノルテ州ダトゥ・オディン・スインサットから来た土地の請求者たちであったとされる。

生存者1人は逃走に成功し、警察に対し「マスク姿の武装集団に待ち伏せされた」と証言したものの、その所属や身元の特定には至っていないという。

カアング警部補は、同じ土地をめぐって8月にも武装勢力が占拠を試み、緊張が高まっていたと述べた。

現地調査、避難、治安強化

衝突後、ジェルソン・ビレイ州警察代理長と陸軍第602旅団長リッキー・ブナヨッグ准将、さらに臨時合同行動グループ(AHJAG:Ad Hoc Joint Action Group)のチームが現地調査を実施した。

周辺では軍の展開が続いているものの、不安は収まらず、およそ30世帯が報復や他の武装勢力の存在を恐れ、避難所での生活を余儀なくされている。

事件現場が北コタバト州マタラムに属するのか、キダパワン市に属するのかについても調査が進められており、この区分が事件の司法手続きに影響を与える可能性がある。初期調査の時点では、現場から銃器は回収されていない。

警察はすでに遺族の一組と連絡を取っており、容疑者に心当たりがある場合は正式な訴えを提出するよう促している。訴えが提出されれば、逮捕状請求に進むことができる。

亡くなった7人は、イスラムの慣習に則り、速やかに埋葬された。

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