
ダバオ市議会のダニロ・ダヤンヒラン議員は、ロドリゴ・ドゥテルテ元大統領が、国際刑事裁判所(以下ICC)で拘束中に倒れたとの報道を受け、再びドゥテルテ氏の即時釈放を求めた。
2025年9月30日、市議会で行われた特権演説で、ダヤンヒラン氏は、高齢者を敬うフィリピンの価値観や伝統が軽視されていると批判した。
ダヤンヒラン氏は「ドゥテルテ氏が倒れたにもかかわらず、家族にすら知らせがなかった」と述べ、有罪判決を受けていないにもかかわらず「まるで何の価値もないかのように見捨てられている」と強調し、この状況は極めて憂慮すべきだと訴えた。
また、ドゥテルテ氏には逃亡の恐れもなく、証人を脅した事実もないこと、そして繰り返しダバオに戻りたいという意思を示してきたことから、拘束は不当であると主張。元大統領の拘束は、かつて市長として尽力してきたドゥテルテ氏のリーダーシップと奉仕の機会を、ダバオ市民から奪っているとも述べた。
さらに、ドゥテルテ氏の健康と安全を願い、引き続き祈りを捧げるよう市民に呼びかけたうえで、「人道的見地からの早期釈放を後押しできるのは、もはや祈りしかないのかもしれない」と述べた。
演説後、ダヤンヒラン議員は、ドゥテルテ氏の即時釈放を改めて求める決議の採択と、それを関係当局に送付するよう動議を提出した。これは、今年に入り市議会が提出した3回目の措置となる。
同様の決議は2025年3月25日と7月15日に可決されており、いずれも上院およびICCに対して、ドゥテルテ氏の釈放を求めていた。6月12日には、ドゥテルテ氏の弁護団が、受け入れの意思を示す非公表の国への一時的な釈放を正式に申し立てている。
ドゥテルテ氏は2025年3月12日からオランダ・ハーグで拘束されており、2日後にはビデオ会議を通じてICCに初出廷している。
また、サラ・ドゥテルテ副大統領は、父親が自室で意識を失っているのが発見され、その後、家族に何の連絡もないまま各種の検査を受けさせられたと明らかにした。彼女は、虚弱な健康状態にもかかわらず適切な医療も施されず、24時間体制の介護も受けられていないと指摘し、ICCによる「非人道的かつ不公正な扱い」を強く非難した。