
2024年の中間年人口調査(以下PopCen:Mid-Decade Census of Population)の結果によると、2024年7月1日時点でのダバオ地方の人口は5,389,422人に達した。この数値は、フェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領が布告第973号を通じて公式に発表し、フィリピン統計庁(以下PSA)が公表したものである。
この人口は、2020年の5,243,536人から145,886人の増加となっており、緩やかな伸びを示している。
地域内ではダバオ市が引き続き最多の人口を擁し、1,848,947人に達した。これにより同市はダバオ地方で唯一の高度都市化都市としての地位をさらに強固なものとしている。州別では、ダバオ・デル・ノルテ州が約114万人で最も多く、一方ダバオ・オクシデンタル州は317,159人と最も少なかった。
人口は増加しているものの、2020年から2024年の年間人口増加率(PGR:Population Growth Rate)は0.66%にとどまり、2015年から2020年の1.09%から明らかに減速している。この傾向は全国的にも見られ、フィリピン全体の人口は1億1,272万9,484人に達したものの、成長率は0.8%にとどまり、2015年から2020年の1.63%を大きく下回っている。
PSAは、2種類の主要な国勢調査を実施している。1つは10年ごとに実施される「人口・住宅センサス(CPH:Census of Population and Housing)」、もう1つは5年ごとに行われる「PopCen」である。2024年のPopCenは、国内で通算16回目の国勢調査であり、PSA設立以降では3回目の実施となった。
国勢調査は、国家および地方レベルの政策立案、計画、資源配分のために不可欠な基礎資料である。調査による人口統計は、「共和国法第72号(Batas Pambansa Blg. 72)」に基づき、大統領による公式な布告をもって正式な数値として確定される。
地域別人口では、カラバルソン地方(第IV-A地域)が引き続き最多の1,693万人となり、次いで首都圏(1,400万人)、中部ルソン地方(1,299万人)が続いた。これら3地域の合計人口は全国の約39%を占めている。
注目すべき点として、全18行政地域のうち16地域で人口増加率が低下した。中でもバンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域(BARMM)は3.43%と最も高い増加率を示し、ビコール地方(第V地域)は唯一、マイナス0.07%の減少を記録した。
人口増加率が鈍化する一方で、ダバオ地方の経済は依然として拡大を続けている。PSAダバオ支局によれば、2024年の経済成長率は6.3%で、2023年の6.7%からやや低下したものの、安定した成長を維持している。
地域内総生産(GRDP)は1兆800億ペソに達し、ダバオ地方は国内で4番目に高い経済成長率を記録している。また、国内総生産(GDP)への貢献度では5番目に位置し、その割合は4.9%となっている。