
ダバオ市議会議員のマーナ・ダロド=オルティス氏は、カダヤワン祭りの制度化に向けた計画を発表し、特にマグサイサイ公園内にある「カダヤワン・ビレッジ」を、年間を通じて運営される恒久的な文化・観光施設とする方針を明らかにした。
オルティス氏は、2025年7月24日にロゲン・イン(Rogen Inn)で行われた「カダヤワン祭プレスイベント」の場において、「できるだけ早く取り組みたいと考えています。現在、カダヤワン・ビレッジはカダヤワン祭りの期間中にわずか12日間しか開かれていません。このままでは、また来年2026年のカダヤワンに間に合わなくなる可能性があるため、緊急性の高い案件として進めています」と述べた。
この取り組みには、ダバオ市交通・交通管理局(CTTMO)、市観光運営局(以下CTOO)、文化芸術局の支援があり、オルティス氏は、カダヤワン祭りおよびカダヤワン・ビレッジを制度として確立するための条例制定を目指しているという。
条例が可決されれば、カダヤワン・ビレッジは、マグサイサイ公園内の恒久的な施設として正式に位置づけられ、年間を通じて開放される文化・観光拠点として機能することになる。オルティス氏によれば、この実現には、施設の構造的安全性と長期的な運営の持続可能性を確保するため、多額の予算が必要だという。
ダバオ市文化芸術局の責任者代行であるオスカ・カサイサイ氏は、市内に暮らす11の民族・言語グループとの間で、すでにカダヤワン・ビレッジの制度化に向けた複数回の会合を行っていると明かした。また、同施設のあるマグサイサイ公園を管理する市経済事業部(CEE)とも協議を進めているという。
カサイサイ氏は、「会議では、住宅の配置を”ひとつのコミュニティ”として見えるように整えるべきだという意見が出されました」と述べ、現状ではモロ系住民と先住民族(IP)の住宅が分離されている点に言及した。目指しているのは、多文化間の交流を促すような空間設計の実現だという。
また、バンサモロ・マギンダナオン副市長のガブリエル・F・ナカン氏は、部族の生計支援や文化プログラムを推進するCTOOとの継続的な連携を強調した。さらに、13の民族・言語グループは毎年、自らの部族の家がそれぞれの文化や伝統を忠実に反映できるよう取り組んでいると述べた。