先住民族に関する国家委員会(以下NCIP)ダバオ担当委員長のGeroncio Aguio氏は、先日開催されたカダヤワン祭りの観客に対し、祭りでの写真をシェアする際に、先住民の文化的、感情的背景に配慮するよう呼びかけた。
同氏はカダヤワン祭りがルマド人(先住民族)の文化・芸術の発展を目指して開催されている側面があることを強調し、ルマド人の文化と風習に対し敬意を払う必要があるとしている。
今回の呼びかけは、Indak-Indak sa Kadalanan(ストリートダンスイベント)で撮られた優勝グループのとある写真がネット上で拡散したことが発端だ。その写真は、Bislig市出身Sindac Anib Performing Ensemble(ルマド人ダンスグループ)の男性ダンサーの一人が、露出度の極めて高い服装を着用した観客と共にポーズをとっていたというもの。
ダンスグループの民族衣装はもともと露出度が高いものだが、問題となった観客の服装は民族の文化を揶揄するものと捉えられ、観客と、撮影に応じたダンスグループに対してネット上で非難が沸き起こった。
Indak-Indak sa Kadalananは地元の学校、地元ダンスグループ、ミンダナオ島各州の団体が参加するカダヤワン祭りのハイライトで、ダバオ市の11の民族をテーマとしたストリートダンスなどのパフォーマンスが特徴だ。
問題の写真が拡散された後、Sindac Anib Performing Ensembleの代表Marc Hingco氏は謝罪するとともに、観客がダンサーに対し特定のポーズをとるよう強要したと、当時の状況を説明。都市観光事務局 (CTOO) の事務局長Generose Tecson氏はHingco氏の声明を支持すると発表した。
一方、Aguio氏は来年のカダヤワン祭りでは、NCIPが祭りの準備機関とより綿密に連携していくと述べた。これにより将来のカダヤワン祭り参加者が文化的配慮について話し合う機会が生まれ、先住民族の経済的、社会的発展を目指すカダヤワン祭りの真義が強調されるだろう。
カダヤワン祭りの準備におけるNCIPの活動は、ルマド人に関する人権問題がある場合に特に活発になる。将来は各民族の代表者が祭りの準備に参加し、正しい文化について議論することができれば、さらに意義のあるイベントにできるだろう。