フィルインベストグループのFDCユーティリティーズ社（以下FDCUI）は、フィリピンワシ「ダギタブ」への支援を改めて表明し、世界でも最も絶滅の危機に瀕している猛禽類の一つを保護する取り組みを継続している。この活動はフィリピンワシ財団（以下PEF）との連携のもとに行われており、創立70周年を迎えるフィルインベストの節目にあわせて、国の自然遺産を守りながら社会の発展を目指すという企業理念をより一層際立たせるものである。
「ダギタブ」は、ダバオ市のフィリピン・イーグル・センター（以下PEC）でPEFの保護下にある救助個体であり、その健康と福祉を維持するには継続的な支援が不可欠である。FDCUIは、この里親プログラムを通じて、ダギタブに必要な食事、獣医ケア、環境エンリッチメントなどを提供する。
PEFのエグゼクティブディレクター、デニス・サルバドール氏は、企業とのこうしたパートナーシップが保全活動の継続においていかに重要かを強調した。
「フィルインベストのような企業の支援があることで、救助されたワシに必要なケアを継続的に提供できるだけでなく、長期的な保全戦略への投資も可能になります。企業との連携は、負傷したワシのリハビリから、自然の生息地の保護・再生に至るまで、私たちの活動を持続可能にするうえで欠かせません。ワシの保全には多方面からのアプローチが求められており、民間企業の長期的な関与は、研究・教育・森林保護などの分野における資金やリソースの不足を補う重要な鍵となるのです」と述べた。
「ダギタブ」は回復力の象徴であり、PECにいる中でも最も高齢で、繁殖実績の豊富な個体の一つです。1984年5月5日生まれの彼は、保全繁殖プログラムにおいて重要な役割を果たしてきた。長年にわたり「エリサ」とのペアリングに成功し、10羽のヒナを育て上げるという、種の存続に大きく貢献する成果を挙げている。現在40歳を迎えるダギタブは、フィルインベストグループが築いてきた持続的な取り組みの象徴ともいえる存在だ。ゴティアヌン家が率いるこの複合企業は、70年にわたりフィリピンの家庭に機会を提供し、持続可能性を掲げながら国家の発展とともに歩んできた。
FDCUI社長兼CEOのフアン・エウヘニオ・L・ロハス氏は、「私たちの歩みにおける重要な節目を迎えるにあたり、フィルインベストは今後も力強く成長を続け、『フィリピンの夢』の実現に向けた具体的な取り組みに注力してまいります。今回、『フィリピンワシ・ダギタブ』の里親プログラムを更新することで、この壮麗な種の生存を支えるとともに、我が国の豊かな生態系の保全にも貢献していきます」と話した。
2019年以来、FDCUIはPEFの保全活動を支援しており、森林再生や啓発キャンペーンに積極的に取り組んできた。ミンダナオ・ブキドノン州のタゴ山では、先住民族団体「Kilag-udan Apo Datu Nanikunan Tribal Association Inc.（KADNTAI・旧称GADNAI）」と協力し、20ヘクタール規模の森林再生・炭素吸収プロジェクトを展開している。この取り組みは、生物多様性の回復、先住民族の土地権の尊重、持続可能な生計の支援に貢献するものである。
タゴ山には、フィリピンワシのつがい「カラブガオ（メス）」と「ギランギラン（オス）」、そしてそのヒナ「マルコ」が生息している。カラブガオは、救助・リハビリ・野生復帰を経て性成熟し、自然環境下で繁殖に成功した世界初の個体である。こうしたフィリピンワシたちが順調に生息しているのは、現地の先住民の協力と、FDCUIやPEFなどの民間パートナーによる支援によるものである。
フィリピンワシは、違法な狩猟や森林伐採によって存続の危機にさらされており、その保護には企業とのパートナーシップが欠かせない。FDCUIによる継続的な支援は、環境保全に対する責任感を促すとともに、他の組織にもこの国鳥の保護活動への参加を呼びかける力となるだろう。
FDCUIは、フィルインベストグループにおける発電事業の中核企業であり、ミンダナオ地方の送電網安定化に貢献する405メガワットの基幹電源施設「FDCミサミス発電所（ミサミス・オリエンタル州ヴィラヌエバ）」を有している。また、太陽光、水力、バイオマスなど、再生可能エネルギー事業にも積極的に取り組んでいる。
フィルインベストは今後も、経済成長と環境保全が両立する未来を目指し、次世代に受け継がれる持続可能なインパクトを残すべく、着実に歩みを進めていくとした。
