
2025年3月20日、コタバト市のバンサモロ政府センター(以下BGC)にて、バンサモロ首相アブドゥルラオフ・マカクア氏が正式に就任した。
新たにバンサモロ自治地域(以下BARMM)の首相に任命されたマギンダナオデルノルテ州知事のアブドゥルラオフ・マカクア氏は、2025年3月20日、コタバト市のバンサモロ政府センターにある首相府での就任式を経て、バンサモロ移行機関(以下BTA)の指導者として正式に職務を開始した。彼はアホド・「アル・ハジ・ムラド」・エブラヒム氏の後任となる。
BARMMでは2025年10月に初の議会選挙が実施される予定であり、完全な選挙制政府への移行に向けた重要な段階となる。
同日、マカクア氏はミンダナオのジャーナリストらを前に演説し、BARMMの人々に感謝の意を表した。また、マルコス大統領が「モロ民族とフィリピン政府の間の和平プロセスを推進する」使命を託してくれたことに謝意を示した。
新たな首相として、マカクア氏は最初の行政命令「特別支援措置」に署名した。この命令により、ラマダンを迎えるにあたり、BARMMの約40,000人の職員に対し、一律10,000ペソの特別手当が支給される。支給対象には、正規職員、契約職員、臨時職員、さらには地域の教師らも含まれる。
同日早朝、BTA議会のモハゲル・イクバル議員は特別記者会見を開き、ミンダナオのジャーナリストらに対し、自身の懸念を表明した。イクバル議員は、マカクア氏の任命を尊重する姿勢を示しつつも、バンサモロ基本法(BOL)に基づく適切な手続きとプロセスを順守することが和平プロセスの維持に不可欠であると強調した。
さらに、モロ・イスラム解放戦線(MILF)とフィリピン政府の間で締結された最終和平協定である「バンサモロ包括的合意」(CAB)に関連する新たな対立を避ける必要があると訴えた。