12月23日に発生したNCCCモールの大火災で多くの社員が死亡したサーベイサンプリングインターナショナル社(以下、SSI)の責任者とNCCCモールの救援スタッフが、自らの命と引き換えにモールの中に閉じ込められたスタッフを救助していたことが分かった。
SSIの品質保証責任者であるアレクサンドラ・モレノ・カステリョ氏は、自身が喘息をもっていたにもかかわらず、火災発生後に他の社員を救助するために濃煙の中に飛び込んでいたことが明らかになった。同氏の同僚によると、カスティリョ氏は他に閉じ込められた社員を出口までに案内したが、彼女自身が安全な場所に行くことができなくなってしまったという。そして火災鎮火後もカステリョ氏のみの遺体が依然として発見されていない。
他にも、NCCCの救援スタッフであるメリヴィン・ガア氏は、火災発生後に同僚によりその姿を屋外で確認されていたが、検査官がSSI事務所のロビーで36名の死亡者の遺体を発見した際にガア氏の遺体が含まれたという。検査官ガア氏が、閉じ込められたSSIのスタッフを救援しに行ったのではないかと話している。
メルヴィン氏の姪であるメリーグレイス・ラパサラン氏によると、妊娠中のSSI社員がメルヴィン氏によって救助されていたという。NCCCモールの報道官であるテア・パドゥア氏は「メルヴィンさんが多くのSSI社員を救援しに行き、建物を出たとこを見かけたが、さらに多くの人を救助しようと再び燃え盛る建物内に入っていった。勇敢なメルヴィンさんに感謝し、メルヴィンさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます」とコメントした。
また12月26日に行われた記者会見でサラ・ドゥテルテ市長は、「メルヴィン氏の遺体が、亡くなった他のSSI社員の周辺で発見されたため、その社員たちの救助に向かい自らも命を落としたと思われます」と語った。