昨年の大統領選挙から約1年が経過するが、現大統領への支持は根強い。2023年4月12日、Pulse Asiaの調査により、フェルディナンド・マルコス大統領(愛称: ボンボン)とサラ・ドゥテルテ副大統領が、2023年3月時点で過半数の支持と信頼を獲得したことが明らかになった。
調査結果によると、マルコス大統領への支持率は78%であったという。比較対象としては、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領時代の支持率は83%であり、現政権よりやや高かった。
Pulse Asiaは、「大統領と副大統領の支持率は、全ての地域及び社会経済的集団で過半数を占めている」と述べた。就任後の2022年11月から2023年3月にかけて、この数字はほとんど変化していないのだという。また、ドゥテルテ前大統領の信頼度は85%であったのに対し、マルコス大統領の信頼度は80%であった。
Pulse Asiaはさらに、政権のパフォーマンスに対する国民の評価は「おおむね肯定的」であり、3月の調査と昨年11月の前回調査の間にほとんど変化が見られなかったとしている。
現政権が取り組むべき緊急課題については、物価高に対するインフレの抑制(60%)、労働者の賃上げ(44%)、雇用の拡大(30%)であったという。一方で災害対応や移民労働者への対応などは、過半数がその成果を認めているとの結果になった。
この調査は、2023年3月15日から19日にかけて、マニラ首都圏、ルソン、ビサヤ、ミンダナオ島の18歳以上の成人1,200人を対象に対面式で行われた。許容誤差は±2.8%だった。
調査実施時に起こった主な出来事としては、ネグロス東部州知事ロエル・デガモ氏の暗殺、1987年憲法改正のための大会招集法案の下院承認、ミンドロ島原油流出、強化防衛協力協定に基づき米国が使用できる追加軍事基地4カ所の命名などがある。
ドゥテルテ前大統領からの流れを汲んでいることもあり、マルコス現大統領大統領やサラ副大統領の人気は候補時代から高い。フィリピンの大統領の任期は6年。残り5年で情勢がどのように変化するか、引き続き追いたい。