最近、在日本フィリピン大使から日本に「バナナの適切な販売価格」の要望が出されたことは記憶に新しい。私たちの生活を圧迫する生活必需品の値上げは、ここダバオでも起こっている。
貿易産業省の関係者は、世界のサプライチェーンを混乱させた進行中のロシアとウクライナの紛争により、生活必需品の希望小売価格が今年2回上昇したと述べた。ダバオ貿易産業省のレイチェル・レミティオ氏(Rachel Remitio)は、6月13日月曜日のラジオ「Davao City Disaster Radio」でのインタビューで、「生活必需品の希望小売価格はすでに2回上昇しています。1回目は1月27日、2回目は5月11日でした。ロシアとウクライナの紛争の影響を着々と受けています」と述べた。
レミティオ氏はさらに、原材料価格の高騰を受け、製造業者と加工業者から1月の値上げが要求されたことも明らかにした。希望小売価格の1〜5%の増加がメーカー側から要求され、貿易省は5月11日に、218の生活必需品のうち、82品の値上げを承認した。
この2回の値上げにより、「生活必需品の価格は、すでに約7%上昇しました。ご家庭で使われる塩に至っては約6〜10%の上昇です」とレミティオ氏は続けた。
レミティオ氏によると、メーカーによる価格上昇の主な理由は、主要な原材料と包装材料のコストの上昇であるとし、メーカーが希望小売価格を引き上げなければ、従業員を解雇せざるを得なくなるだろうと語った。
日本でも最近話題の”値上げラッシュ”だが、その対象は食料品から半導体まで多岐にわたる。日銀総裁の「値上げ許容度は高まってきている」という発言が記憶に新しい中、このラッシュが、4分の1が貧困層であると言われるここ「フィリピン」で起こるとなると、その影響は計り知れない。