ワクチン接種が一定以上進まない理由として、ワクチンを接種したくないという意見があることが挙げられる。ダバオ市の中でも、「宗教上の理由」を挙げてワクチンを接種したくないと思っている人がいる。ご存じのとおり、ダバオ市にはクリスチャンやムスリムが多くいて、そのなかでもさまざまな宗派があり、多様な宗教が混在している。そのような中、ダバオ市内の各宗教のリーダーらが、ワクチン接種を呼び掛けたのだった。
保健省ダバオ支部は、12月2日木曜日、自身の公式Facebookページに、ある映像を投稿した。ここに登場したのはダバオ市のバプテスト教会の大司教Romulo Valles氏、フィリピンのムスリム宗派「Ulama Sector-National Commission on Muslim Filipinos」のAlim Jamal Munib氏など、各宗教の代表であった。そして、新型コロナウイルスのワクチンを接種するよう市民に呼び掛けるメッセージを届けた。
ビデオメッセージのなかでは、ウイルスの拡散を抑えるのにワクチンはとても効果があると言及され、どの宗教のリーダーも「新型コロナウイルスとの戦いがおこなわれているなか、お互いと自分たちの家族を守るためにもひとつになろう」と呼び掛けた。ビデオメッセージには上述の二名に加え、「National Commission on Muslim Filipinos-Davao Region」、末日教徒イエスキリスト教会、フィリピンキリスト教団、セブンスデイ・アドべンチスト教会のリーダーも登場した。
2021年の初め、ダバオ市を拠点に活動する無名の牧師が投稿した別の動画は、一部の人たちがワクチン接種を拒むことを助長させてしまったことがあった。また、ワクチンを接種していなかった牧師が、新型コロナウイルスによって重症になったと、9月13日の災害ラジオでサラ市長が明らかにしたこともあった。また、保健省の発表によると、新型コロナウイルスで亡くなった人の実に約94%が、ワクチンを接種していなかったことも分かっている。
新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるのは、確かにワクチンだ。今回のビデオメッセージによって、ワクチンを接種しようと思う人もいるだろう。