ダバオ市では現在、世帯の約40%にあたる約19万5,000世帯が、住宅と土地の両方を所有していないことが、ダバオ市計画開発局(以下CPDO)の担当者によって明らかにされた。
2026年7月24日に開催された不動産・建設業者協会(CREBA:Chamber of Real Estate and Builders’ Associations Inc.)主催の「2026年地域住宅フォーラム(2026 Regional Housing Conference)」で講演したCPDOの技術担当補佐官チャールズ・トゥマリップ氏は、低所得者向けの社会住宅への需要が高まっていると指摘した。
トゥマリップ氏によると、2024~2025年に実施された「コミュニティ・ベース・モニタリングシステム(以下CBMS:Community-Based Monitoring System)」調査の結果、ダバオ市の世帯数は現在約48万5,000世帯に上る。
このうち、住宅と土地の両方を所有し、安定した居住基盤を確保している世帯は60%(約29万世帯)に達する。一方、残る40%についてトゥマリップ氏は、「これら40%の世帯は、住宅だけを所有している場合や、住宅または土地を借りている場合、あるいは所有者の許可なく無償で居住している場合がある」と説明した。
また、こうした居住形態は、居住の安定性にさまざまな違いがあることを示しており、将来的な住宅支援制度や正式な住宅取得機会の対象となる可能性があると述べた。
CPDOは、ダバオ市における住宅需要の潜在規模が、2034年には24万5,000世帯、2044年には30万世帯、さらに30年後には37万世帯まで拡大すると予測している。
市内の行政区別では、最大規模の住宅需要が見込まれる地域として、タロモ地区を優先開発地域に位置付けているという。
現在の住宅不足への対応と将来的な人口増加に備え、マティナ、ドゥモイ、バリオック、バゴを含むタロモ地区を重点地域として指定している。また、中期から高層住宅の開発については、ブハンギン地区とポブラシオン地区を候補地域としている。
トゥマリップ氏は、交通アクセス、地域の経済状況、住宅引き渡し後の維持管理などの課題に対応するため、複数の取り組みを進めていることも説明した。
特に、低所得層の住民が高額な通勤費によって住宅から離れざるを得なくなることを防ぐため、今後の住宅開発地を「高優先度バスシステム(以下HPBS:High Priority Bus System)」の路線と連携させる方針を強調した。
また、「HPBSは、今後1~2年で整備されるカリナン、ティブロイ、トリルなどの住宅開発地に到達できるよう計画されている」と述べ、住宅地における公共交通網の重要性を指摘した。
なおティブロイとカリナンでは、住宅政策の方向性として、低価格の賃貸型住宅の整備を重視していると説明した。
トゥマリップ氏は、「低価格の賃貸住宅を提供することで、住民は将来的に自分自身の住宅を取得するための資金を貯蓄できる。それが今後2~3年における住宅開発の方向性だ」と述べた。
今後2~3年で整備が予定されている主要住宅プロジェクトには、ティブロイの住宅開発、バライ・カリナン、そしてラスン地区で計画されているバライ・パグババゴが含まれる。
更に、不動産開発業者や民間企業に対し、「ダバオ市総合土地利用計画(以下CLUP:Comprehensive Land Use Plan)」の見直し作業への参加を呼びかけた。
トゥマリップ氏によると、ダバオ市のゾーニングマップ、用途地域条例、災害リスク評価の更新に向けたワークショップは8月から開始される予定だ。
また、「長期的な視点で対応できる場合は、所有地の用途地域変更を希望する土地所有者は意見書を提出してほしい。2028年の更新作業の際に、そうした意見を検討する」と述べた。
CLUPの策定作業は今年から本格化し、2028年から2040年までの12年間を対象とする新たな開発計画として実施される予定だ。
CPDOは現在、ダバオ市の長期マスタープランに沿った土地利用を進めるため、土地所有者からの用途変更や区分変更の申請、意見書を受け付けている。






