
ダバオ・デル・ノルテ州第1区選出のデ・カルロ・オヨ・ウイ議員は今週初め、タグム市で関係機関合同フォーラムを開催し、19歳のフィリピン大学生、ソフィア・マリー・コキラさんの殺害事件を受けて、「青少年司法福祉法(共和国法第10630号)」の改正案について議論した。
コキラさんは2025年7月9日、タグム市ラ・フィリピーナ・バランガイ(行政区)プルック3-Aの自宅で、約38か所を刺された状態で死亡しているのが発見された。捜査当局によると、ノートパソコン、iPad、iPhone、時計など複数の貴重品が盗まれており、犯行の動機は強盗とみられている。
14歳、15歳、17歳の3人の未成年男性と、ダバオ・オリエンタル州出身の19歳男性の計4人が逮捕された。当局によれば、14歳の容疑者は現行法の下では刑事責任を問われないが、年長の2人の未成年者は強盗致死罪で起訴され、更生施設に移送される予定である。
社会福祉開発省(以下DSWD)青少年司法福祉評議会(以下JJWC)、司法省(以下DOJ)、教育省、保健省、内務地方自治省、予算管理省、フィリピン国家警察、地方自治体の代表者らがフォーラムに出席し、青少年更生施設の不足、資金不足、関係機関間の連携不足といった課題を指摘した。
ウイ議員は、会議での提言を踏まえ、青少年司法制度を強化する法案を提出する予定であり、被害者の権利と未成年者の権利のバランスを取る必要性を強調した。また、関係者はダバオ・デル・ノルテ州の更生施設を訪問し、現状を評価した。
今回のフォーラムは、青少年の刑事責任年齢に関する議論が再燃するなかで開催された。
ロビンフッド・パディリャ上院議員は、殺人、強姦、誘拐致死・誘拐強姦、重大な薬物犯罪などの凶悪犯罪に関与した未成年者に対する刑事責任年齢を、10歳に引き下げることを目的とした上院法案第372号を提出した。
パディリャ議員は、未成年者が関与した衝撃的な事件を挙げる一方で、フランシス・キコ・パンギリナン上院議員やシャーウィン・ガッチャリアン上院議員は、刑事責任年齢の引き下げは根本的な問題解決にはならず、現行法の厳格な施行を求めている。
一方、ラフィー・トゥルフォ上院議員とアーウィン・トゥルフォ上院議員は、被害者家族の不満や更生施設の不足を踏まえ、同提案を支持している。
2006年に制定された「青少年司法福祉法(共和国法第9344号)」は、2013年の改正(共和国法第10630号)により、刑事責任の最低年齢を15歳と定めており、15歳から17歳の未成年者は「識別能力」があると認められた場合にのみ起訴が可能とされている。
刑事責任年齢を9歳または12歳に引き下げる提案はこれまでにも繰り返し提出されてきたが、いまだ法制化には至っていない。
2025年5月、JJWCはDSWD、DOJ、矯正局(Bureau of Corrections)、公共事業道路省(DPWH)とともに、プエルト・プリンセサ市において、国内初となる法的トラブルを抱える子どもたちのための農業を活用した更生施設の起工式を行い、体系的な社会復帰プログラムの提供を目指している。
また、JJWCは未成年者の事件を追跡する一元管理データベースを導入し、関係機関間の連携強化を図っている。