社会福祉開発省ダバオ地方事務所(DSWD11)が2022年に実施した「リスタハナン」調査によると、2017年の前回調査から貧困世帯数は17%増加した。
第3回リスタハナン調査は回答者総数903,267世帯中333,513世帯が貧困であるという結果になった。8月11日のKapehan sa Dabawメディアフォーラムにて、DSWD11全国世帯対象部門IT担当者のピーター・ポール・ビリャルナ氏は、2017年の第2回調査では、貧困世帯数は284,136であったと述べた。しかし、第2回調査の回答者総数は843,957世帯であるため、6.5%の差があることには留意が必要である。
DSWD11が発表した第3回リスタハナン調査の結果としては、ダバオオクシデンタル州の世帯の58.44%が貧困であり、次いでダバオオリエンタル州(55.96%)、ダバオデオロ州(43.05%)、ダバオデルスル州(30.37%)、ダバオデルノルテ州(29.79%)、ダバオ市(23.26%)の順に貧困率が高かった。
これによると、貧困世帯の10軒に3軒は電気を利用できず、1軒は清潔で衛生的なトイレを利用できず、5軒以上は清潔で安全な水を利用できない。また、貧困世帯の40%以上が先住民族のコミュニティに属しているという。
DSWDはまた、主に失業の影響を受けている174万3,881世帯の貧困層を特定した。ビリャルナ氏によると、貧困基準以下の世帯が貧困と見做され、基準は1人あたり年間28,942ペソであるという。DSWDは、関係者や政府機関、NGOに対し、この調査を活用して受益者を徹底的に選別し、資源の無駄遣いを最小限に抑えるよう呼びかけている。「データ・情報・証拠がなければ、人間の状態に関するいかなる議論も単なる意見に過ぎない」とのことだ。
貧困削減のための全国世帯対象システム(NHTS-PR)としても知られるリスタハナン調査は、全国の貧困世帯の割合を特定する。この調査は、2010年の大統領令第867号により、社会保護プログラムとサービスを最も必要としていいる恵まれない人々に公的に提供するために義務付けられている。
前回調査からこれだけ貧困世帯が増加している背景には、やはり一番の要因としてはパンデミックが考えられる。一方で「非貧困」に分類され、支援の対象から外される世帯も存在する。また、ダバオ市では自己評価で貧困ではないと考える市民も増えており、状況にも地域差があるようだ。貧困の割合の高い州での経済が上向くよう、この結果を受けての政府機関の動きにも注目したい。