フィリピンの人気アマチュア歌唱コンテスト番組「TNT(Tawag ng Tanghalan)」第3シーズンのミンダナオ代表参加者マーク・ケン・スアレス・マリスカルさんが、7月9日、ダバオ市内でひき逃げの被害に遭い、その後死亡した。現在ブハンギン警察署は、この事件を引き起こしたひき逃げ犯を捜索している。
事件は2023年7月9日の午前2時45分、カバンティアン通り沿いで発生した。被害者はマーク・ケン・スアレス・マリスカルさん(28)。ダバオ市ブハンギンのバランガイ(最小行政区)インダンガンの住民であることが確認されている。事故後、セントラル911の救助隊は直ちにマリスカルさんをフィリピン南部医療センター(SPMC)に急行させたが、到着と同時に死亡が確認された。
ブハンギン警察署の捜査によると、被害者はルーベン・ポンティン・ボルゴニアさんが運転するオートバイの後ろに乗ってインダンガン方面に向かっていたが、バラン外災害リスク軽減管理評議会の建物の前でトイレ休憩のために停車した。報告書によると、マリスカルさんはバイクから降りる際に足を踏み外して転倒し、そこに白い自動車が向かってきたので、ボルゴニアさんは被害者を助けるためにすぐに降車したが、間に合わなかったという。
被害者は音楽が好きで、ダバオ市やマニラ首都圏の有名なエンターテインメントハウスでの演奏経験もあった。2018年にはABS-CBNの番組「It’s Showtime」内のコーナーTNTでミンダナオ代表の1人としても参加していた。また、ダバオ州サンタマリアの旧政治一族の末裔でもあるが、家族のこの件に関しての詳しい声明は未だ出されていない。
何とも痛ましい事故だ。誰も彼もが歌を愛し歌に愛されたフィリピンで、ミンダナオからの参加者として歌番組に出るというのは相当の実力の持ち主だったことが窺える。最近何かと忙しいダバオ市警察だが、迅速な事件解決が望まれる。