航空会社が一定のキャンセルを見込んで多めに予約を取るオーバーブッキング。会社にとってはより多くの乗客を安定して獲得できるというメリットがある一方で、トラブルの元にもなり得る。民間航空局(以下CAB)は6月23日、オーバーブッキングや積荷降ろしに関する苦情を受け、航空会社のオーバーブッキングを最小限に抑え、上限を設けるべきだと述べた。
CABのカルメロ・アルシラ事務局長によると、フィリピンでは以前、航空会社のオーバーブッキングの上限をフライト定員や座席数の10%としていたが、2012年以降、その上限が撤廃されていたという。
アルシラ氏は、再び上限を設けることで、この慣行の乱用を抑制することができると語る。「乗客が、オーバーブッキングの上限と航空旅客権利章典(以下APBR)という2つのセーフガードを得られるよう、再び上限を課すべきだと考えている」と同氏は公開ブリーフィングで意向を明かした。
同氏によると、APBRは、オーバーブッキングに対して、次の利用可能なフライトへの便の変更、補償、ホテル、食事、交通費の負担などの対応を行っているため、オーバーブッキングの上限が撤廃されたのだという。
他の要因としては、航空機の不調などからより小型の別機体でフライトを運航することになれば、収容人数が減少し、搭乗できない乗客が出てしまうことが挙げられるという。結果として、乗客の心象的にはオーバーブッキングのようなことが起こってしまうのだそうだ。
アルシラ氏は、航空機の変更でなく本当に単なるオーバーブッキングで航空会社が乗客に搭乗できないことを伝えた場合、その会社は罰則を受けることになると語る。また、航空会社は乗客の不便や苦痛を防ぐため、あるいは最小限位抑えるためにあらゆる手を尽くすべきだとも述べた。
飛行機のブッキングは海外旅行でありがちなトラブルの1つだが、できるだけ防止されるというのならばありがたい。フィリピンでも今年から続々と国内線・国際線がともに復活しつつある。トラブルのない快適な空の旅に期待だ。