【News】ダバオ市は7年連続で腎臓病患者数全国3位、病院や学会は生活習慣の見直しを呼びかける

市役所

病気の進行が自覚しづらく、沈黙の臓器の1つとされる腎臓。ダバオ市は腎臓病の患者数が多い地域全国第3位に位置付け、2017年からその不名誉な座を譲っていない。

フィリピン健康保険組合(以下PhilHealth)のデータによると、同市では現在約9万人の患者が透析を受けており、その数は毎年10〜12%の割合で一貫して増加している。例えばフィリピン南部医療センター(以下SPMC)の昨年の入院患者数は約12,000人で、その27%に当たる3,000人が慢性腎疾患(CKD)の治療を受けていた。

この現状を受け、SPMCと保険証ダバオ市事務所(以下CHO)は6月を「健康なフィリピンのための健康な腎臓」のテーマで全国腎臓月間としている。現在、SMPCでは計2,400人が透析治療を受けている。毎日3〜5人を診察するため、医師の予約は常に埋まっている。1ヶ月で60人、市内の他の病院を含めると100人の診察を行っている。

腎臓病患者の急増により、フィリピン国歌政府は40億ペソを透析治療に充てる決定を下した。フィリピン腎臓学会ミンダナオ支部の前会長であるMaria Theresa Bad-Ang博士は、これは透析治療だけを目的としたものではないことを指摘する。「私たちは罹患者に長生きしてもらいたいと思っているが、出来るだけ透析をやめてもらいたいとも考えている」と語り、臓器提供や移植、前立腺の管理、病気の予防を推進していると加えた。

ダバオ市の透析患者は、最も若くて9歳で、最も長期間の治療は約20年に渡ったという。

SPMC腎臓内科は、適度な運動をすること、予防接種を受けること、健康的な食事を摂ること、喫煙しないこと、アルコールを飲まないこと、薬物に手を出さないこと、安全な性交渉を行うこと、医師に相談することの7つの健康法を、フォーラムやSNSを通じて一般の人々に伝えている。

腎臓月間を記念して、SPMC、フィリピン腎臓学会、CHOは、6月17日にダバオ市のSMエコランドで、フィリピンのすべての泌尿器科トレーニング機関およびボランティア直腸診センターのためのフォーラムを開催する。同時に、SPMCはJICAビル2階で午前8時から正午まで無料直腸診を実施する。6月30日にはSMエコランドで、アルブミン値の測定や透析について学ぶことができるという。

Bad-Ang博士は、「私たちは、慢性腎疾患を早期に発見してほしいと思っている。そのためには、自分自身や大切な人に腎臓病をチェックしてもらうことが重要だ。腎臓病はとても静かな病気で、症状が出た時には腎臓の機能の半分が破壊され、手遅れになっているからだ」と語る。

2017年にはスペインの大学と提携して臓器移植を進めていたSPMCだが、患者が多すぎれば全員には手は回らない。近年は新型コロナウイルスの感染拡大により、病床が不足する問題も発生していた。いざという時に使える病床を確保する意味でも、生活習慣で予防できる病気は防いでいきたいところだ。

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