【News】ダバオ市の公立病院、臓器移植先進国のスペインの大学と提携

ダバオ市を代表する公立病院、南ミンダナオ医療センター(以下、SPMC)の臓器移植チームはスペインのバルセロナ大学(以下、UoB)と提携し、脳死患者の家族への臓器提供の奨励を支援していくことを発表した。

SPMCにて、臓器提供を支持するMaria Theresa Bad-ang氏は今回取材に対し、「UoBとの提携は、すべての医師、医療看護師にトレーニングの機会となり、臓器移植管理について理解を深める事になる」と語った。
また同氏は、UoBとのパートナーシップが、同病院がバルセロナ大学と署名した国際腎臓移植学会(ISN-TTS)のプログラムから生まれたものであると述べ、同大学から、腎臓移植患者数の増加に向けた指導を受けていくことを明らかにした。

現在SPMCでは、多くの患者が透析治療を受けており、移植に頼ることはほとんどないのが現状となっている。同病院の透析患者数は上昇の一途をたどり、既存の透析患者数500〜600人に加え、月平均で100人の新しい透析患者が増えている。こういった現状を受け、1年間での透析患者の増加が1,000人を超えるのに対し、腎移植の症例数は年間わずか18件にとどまっている。

同氏が腎移植を推し進める理由は、患者が負担する治療費の総額にもある。現在、同病院で約10か月間の透析治療を行った場合、腎移植1回分の手術代とほぼ同等の金額となる。しかし臓器移植の大きな壁となっているのは、臓器提供者(ドナー)だという。ドナーは通常脳死患者であるため、患者の家族からの同意を得るのが容易ではなく、今後も大きな課題となると語った。

今回SPMCが提携を発表したUoBのあるスペインは、「臓器移植先進国」と呼ばれ、昨年のドナー数は人口100万人当たり43.4人と他国を突き放して大きくリードしているばかりでなく、過去25年間、臓器の提供・移植件数で世界最多を誇っている。2016年には腎臓移植手術2,994件を含む計4,818件の臓器移植手術を行った実績を持ち、臓器移植を受けられずに死亡した患者の数は、移植を待つ患者のわずか4~6%にとどまっており、同提携による今後のフィリピンの臓器移植手術の発展に大きな期待が寄せられる。