【News】フィリピンが違法シャコガイ取引のホットスポットとして浮上、希少種の取引や組織的な関与も

ティナイタイ

フィリピンは過去20年、違法なシャコガイ取引において東南アジアで中心的な役割を担っていたと、野生動物の取引を調査・監視するNGOのトラフィック(TRAFFIC)は、4月26日の評価書で述べた。

トラフィックによると、2003年1月から2022年12月までの間に、東南アジアに関係する170件のシャコガイの押収が記録されている。この間、121,391トンのシャコガイと、違法取引用の7,682個の貝が押収された。そのうち56%が2017年以降に発生したものだという。

2019年には、フィリピンで世界最大の摘発が行われた。120,000トンのシャコガイがこれによって押収され、71件と最も押収が相次いだフィリピン国内において、62%がパラワン州で発生したものだった。評価書では、「2019年の大規模な押収が、フィリピンで20年間に押収された重量のほとんど(121,071トン)を占めている」とされている。「シャコガイの世界的な取引は、より綿密な精査が必要だ」とのことだ。

「10年以上前の科学的知見では、すでシャコガイの個体数減少していた。地域によっては機能的に絶滅していると指摘されていたことを考えると、これらの数字は心配である」と、評価書は野生生物犯罪アナリストで共著者のRama Wong氏の言葉を引用して述べた。

しかし、世界最大の二枚貝であるシャコガイの世界的な取引については、ほとんど知られていないことが評価書では認められている。食用・装飾用・水族館用として、合法・非合法にかかわらず長期にわたって収穫されてきたのだそうだ。

評価書ではさらに、シャコガイの輸入国と輸出国の貿易額の不一致を指摘している。「2003年から2021年まで、輸入国は400万個以上のシャコガイの取引を報告したが、輸出国は300万個の取引しか報告していない」という。

Wong氏は「膨大な押収量、取引データの不一致、現在の情勢に対する理解不足は、全てシャコガイにとってのトラブルのもとだ」と語る。また、その量の多さから、組織的な犯罪の関与も疑われている。評価書は、「より綿密な監視を行わなければ、世界が問題の存在を認識する前に、シャコガイが枯渇してしまうかもしれない」と警鐘を鳴らしている。

フィリピンは豊かな生物多様性で知られる国である。しかし今回のように、それが悪用されることもあるようだ。生物種は日々淘汰され、年々そのスピードは上がっているという。生物多様性を維持するため、少なくとも人間の悪意による絶滅は避けたいものだ。

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