【News】環境保護団体、JICAに対し「廃棄物をエネルギーに変えるプロジェクト」の支援撤退を訴える

ダバオ市役所

ダバオ市は現在「廃棄物をエネルギーに変えるプロジェクト(WTEプロジェクト)」を立ち上げている最中であり、トゥボック地区において同プロジェクトのための施設建設も行われている。しかし、環境保護団体と工事の影響を受けるバランガイは日本国際協力機構(JICA)に対し、同プロジェクトに対する支援から撤退するよう訴えている。

ダバオ市で農民たちのネットワーク構築と環境保護を行っているNGO団体の弁護士は地元紙のインタビューにて「世界的トレンドに反することを鑑みて、JICAはWTEプロジェクトを支援する立場を考え直して欲しい」とコメント。さらには「環境変化が引き起こした影響を覆せる時間は10年も残されていません。本プロジェクトが『グリーンたれ(Going green)』という世界的なゴールに反しているのは明白です」と地球温暖化を食い止めるため現在世界規模で涙ぐましい努力がなされていると訴えた。

また、同氏はトゥボック地区で着工されている本プロジェクトのための施設工事が、当該地区の無農薬農園に影響を与える恐れがあると言うことにも言及。さらには、その地区の住民は工事計画についての説明を十分に受けていないという。同氏は「多くの住民は工事計画の目標と重要性について間違った説明を受けている。本工事計画に関わる全ての共同体と株主が正しい提案を聞ける適切な機会を与えられるまで、JICAは支援を思い留まるべきだ」と自身の主張を固めた。

この主張は流水保護を行なっているIDIS-Davaoの弁護士によっても支持されており、彼もまた本プロジェクトでエネルギーを生み出すのは危険なだけでなく、環境に対しても有害だと主張している。同氏は、本プロジェクトで軸となる焼却というプロセスに対し「焼却は再生可能、持続可能エネルギーとは言い難いのが現実です。実際、そのプロセスは石炭より多くのグリーンハウスガスを排出しています。それなので焼却は環境に対して悪質な選択であることに留まらず、気候の観点からも賢明な選択とは言い難いのです」と言及した。

バランガイ(行政の最小単位)ミンタルで固形ゴミ処理問題に取り組むMiRCAも、ダバオ市が固形ゴミ処理問題を解決するための持続可能的なアプローチは他にもあるだろうと主張している。「私たちはリサイクル可能ゴミを収拾し利潤のために売っています。しかし、廃棄物を簡単に焼却してしまうと、それらのリサイクルの取り組みが無駄になってしまうので、WTEプロジェクトは未来の世代に対し無責任さを植え付けるだけでしょう」と主張した。

一見「廃棄物をエネルギーに変えるプロジェクト」は環境問題に対し聞こえが良い感じがするが、逆に気候変動を悪化させてしまう恐れがあるとは驚きである。現在世界規模で気候変動に対するアクションが取られているが、本当に「グリーン」な取り組みやアクションは何か、消費者の立場としてもしっかり吟味していきたいところだ。

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