公共事業道路省(以下DPWH)は2024年までにダバオ市バイパス道路の一部開通を目指してトンネルの開通作業を進めている。今回2024年までに一部開通を目指しているのは、バイパス事業総距離45.5kmのうち10.7kmである。同省によると、2022年12月1日の視察時点で、2.3kmにも及ぶフィリピンで最も長い山のトンネル掘削工事は2023年12月までに完了するだろうと楽観的な姿勢を示した。
このダバオ市トンネルは北部のバランガイ(行政の最小単位)Waanと南部のバランガイMatina Biaoを結ぶこととなる。建築請負会社(清水建設と竹中工務店らのJV)はここまで発掘作業とコンクリートを広げる作業、建築強化のための鉄筋コンクリートとボルト取り付け作業を北部と南部の両側、計四か所から同時に進めることで作業効率を上げているという。
北部トンネルの建設作業はトンネル上部の水漏れによって一時休止するトラブルも発生したが、日本の防水加工技術によって見事に対処された。また、本バイパスが全面的に開通すると、従来ダバオ市のトリル地区からダバオデルノーテ州パナボ市まで2時間ほどかかっていたところ、49分以下で移動が可能になるという。
今回の開発計画には、トンネル工事の他にも、7.9kmの四車線道路建設や、三ケ所で総建設距離500mにも及ぶ橋の建設、二か所の陸橋と二か所立体交差道路なども建設も含まれる。この大規模な開発が行われるにあたって日本の技術が問題解決に一役買ったように、他にも日本企業の参入の余地や投資の機会があるかもしれない。ダバオ市の今後の動きに是非注目していただきたい。