ダバオ市公共事業道路省(DPWH)は、2021年6月13日に中国との間で承認された3億5,000万ドル(186.7億ペソ)の融資契約を締結した。そして2022年7月、待望のダバオ市ーサマル島の橋プロジェクトに着手する予定だ。
フィリピン国公共事業道路省次官であるエミル・サダイン氏(Emil K. Sadain)によると、政府はすでに7月中に、「画期的な」プロジェクトを開始するという。橋の全長は3.98キロメートルにおよぶ。プロジェクト全体の費用は19.321億ペソで、そのほとんどは中国の融資によって賄われており、設計と建設にかかる期間は5年であると、サダイン氏は付け加えた。
このプロジェクトに対し、DPWHは「メトロダバオとサマル島の間に活発的で信頼性の高い輸送網を提供し、ダバオ地域の成長ポテンシャルを高めるために、ダバオ市サマル島の移動利便性と外部との繋がりを強化する」とコメントしている。また、「サマル島での観光がしやすくなるだけでなく、緊急時や災害時の避難ルートにもなり、加えて雇用や教育、その他社会サービスなどの機会にもっと恵まれることになる」と続けた。
片側2車線、計4車線を予定するこの橋の建設は、パキプタン海峡を隔ててダバオ市とサマル島を結び、1日あたり約25,000台の車両に対応できるという。
実はずいぶん前から話題には上がっていたダバオーサマル間の橋の建設。あまりの音沙汰のなさにダバオ市民にとっても「サグラダ・ファミリア化」していたのだが、ここにきてようやく現実味を帯びた。限られるフェリーの本数や、ラッシュアワーの渋滞など、住んでいる人間にしか見えない不便が一気に解消されるとなると、喜びもひとしおである。