フィリピンでは出会い・別れの季節でもある夏。ほとんどの学校では大きな行事の際、より大きな会場を貸し切って執り行うこともあり、せめて入学式や卒業式だけでも、と声を上げる保護者も多い。
そのような中、教育省ダバオ市事務所(THE Department of Education-Davao Region:以下、DepEd-Davao)は慎重な考えを見せた。 DepEd-Davao報道官のアティロ(Jenielito Atillo)氏は、F2Fクラス(Face to Face=対面授業)を実施している公立学校は1,589校、私立学校は31校あり、今後も増えることを期待していると述べた。しかし、DepEd-Davaoは独自の裁量で学校の再開を促すことはできないとも述べ、「すべての人がF2Fを採用することを望んでいますが、学校の方針やコンプライアンスなどが絡んでくる」と述べている。
以前、DepEdのレオノール・ブリオネス(Leonor Briones)長官は、全国でF2Fクラスの100%実施を推進していると述べた。しかし、アティロ氏曰く、これは各学校が対面形式の授業を行う能力と、それを運営していく各学校の自信に委ねられると述べた。 ダバオ地域全体で公立校が2,200校、私立校が498校ある中、それぞれ611校と467校、合わせてダバオ地域全体の半分近くの学校が依然、代替学習を実施している。
フィリピンでは、つい最近まで大統領選が行われており、各地域での集会や演説、投票でどれほどの人が集まったのかは言うまでもない。それでなくても、ショッピングモールは映画館再開の助けもあってお昼から人で溢れかえっている。さらには、フィリピン入国時の規制も緩和され、ダバオ本来の日常を取り戻しつつある。では一体何のために、誰のため、に学校から生徒を排除するのか。今一度考える必要がありそうだ。