ダバオ市長のサラ・ドゥテルテ=カルピオ氏は、医療従事者への3回目のワクチン接種をおこなわせてほしいと保健省に依頼した。新型コロナウイルス感染により現場を一時的に離れなければならない医師や看護師がいる実態に対応するためだ。しかしながら、保健省はこれについて前向きではないようだ。
9月20日月曜日、サラ市長は、この日おこなわれたCovid-19タスクフォースとの会議でこれについて話し合ったと述べた。私立病院の中には新型コロナウイルスに感染する医師や看護師が出ており、人員不足に陥っている場所があることが明らかになったため、この話が出たという。そして、医療従事者への3回目のワクチン接種をおこなうという要望はすでに決定となったと述べた。
しかしながら、保健省ダバオ支部は、まだこの決定に対し返事をしていない。同支部で保健支援を担当するRaquel Montejo医師は、以前おこなわれたオンライン記者会見で「ワクチンの3回目接種はまだ推奨されていない」とコメントした。すべての新型コロナウイルスワクチンが緊急使用許可の出ている物で、まだ臨床試験を終えていないことが理由だ。Montejo医師は、高齢者などの優先度の高い人たちへのワクチン接種を進める必要があることと、3回目の接種が必要だというデータが何もないことにも言及し、この時には3回目の接種に前向きな姿勢を見せていなかった。
このようなやり取りの中、サラ市長から3回目のワクチン接種に関する言及があった。サラ市長によると、2020年にコロナ禍に入ってから院内感染が原因となり医療従事者が不足した状態が続いていると明らかにした。そして、「医療従事者が足りないことに対し、これ以上の解決策はないのです。医療従事者の不足は深刻で、院内感染が起こるとさらに深刻な状況に陥っています」と語った。
日本でも検討されている3回目のワクチン接種は、ダバオでも検討が進んでいる。しかしながら、まだワクチン接種を終えていない人もいるため、バランスを見た判断が求められているといえよう。