2021年6月17日(木)、保健省(DOH)ダバオ支部は2020年3月のWHOパンデミック宣言以降、ダバオ市が一日の新型コロナウィルス感染者としては最も多い482名の感染者を確認したと報告した。一日の新規感染者が300名を超えるのは初めてのことで直近1週間の陽性率も14%を超えていることからも市内の感染拡大が深刻な状況であることが伺える。
ダバオ市内の新型コロナウィルス感染は、5月までは1日100名以下と落ち着いていたが、6月に入ってから急に増加の傾向を見せ始めた。フィリピン政府は6月3日にダバオ市の隔離措置を6月5日から4段階中上から2番目の隔離封鎖措置(MECQ)とし、厳しく人流を抑制することで感染を抑え込もうとしてきたが、感染の減少は見られず、6月20日までとしていたMECQ措置を6月末まで延長している。
ダバオ市の新規感染者数は1週間平均で前の週に比べ26%増加、実行再生産数は1.47を記録している。通常1を下回ると感染が下落傾向になると言われているが、今後も増加すると考えられる。新規感染者の増加に伴い、病床の使用率も急激に増加しており、現在ダバオ市の集中治療室の使用率は91%を超え、病院全体の病床使用率は67%となっている。
ダバオ市以外のダバオ地方やミンダナオ島も拡大傾向が続いており、ダバオ市のお隣ダバオデルノーテ州タゴム市やダバオデルスル州ディゴス市も新規感染者が増加し病床数がひっ迫してきているという。両市もまた隔離封鎖措置を最もリスクが低いMGCQから一段階引き上げ一般コミュニティ隔離措置(GCQ)としている。