【News】ダバオ地方の20年度GDPは7.6%減、フィリピン統計庁発表

SM Lanang

4月29日(木)、フィリピン統計庁(PSA)は、ダバオ地方における2020年の実質国内総生産(GDP)を前年比7.6%減と発表した。フィリピン全体では9.6%減と統計を開始した1946年以降で最悪の下落率となった。 また、2020年10~12月期のGDPは前年同期比8.3%減に据え置き、4四半期連続のマイナスとなる。

同庁が発表した報告では、2020年のダバオ地方の国民地方総支出(GRDP)は8,321億ペソで2019年の9,009億ペソから688億ペソ減少し、2018年の8,414億からも93億ペソ減少、2018年並みの国民地方総支出(GRDP)水準となったことが明らかになった。

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統計庁ダバオ支部の高官によると、フィリピン全体では20年度GDPは9.6%減とされる中、全体で17地方ある中の10地方で下げ率が平均を下回り、8,321億ペソもの国民総支出(GRDP)をダバオ地方が記録したのは、同地方の強い政治的なリーダーシップと、民間企業の協力に支えられたものだとコメントしている。

ダバオ地方における国内総生産(GDP)は、2016年は9.6%と過去最高の成長率を記録し、年々順調に成長を遂げていた。2020年は7.6%減と2001年以降過去最悪の結果となったが、これはパンデミック以降に国民総支出(GRDP)の66%を占める個人消費が大きく減少した結果と見られている。

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また、フィリピン国家経済開発庁(NEDA)によると、2020年の4月から6月にダバオ地方の雇用率が82.1%に低下したことを明らかにした。低下の理由としてパンデミック以降、同地方の48,701の中小企業が売上や利益に影響を受け、1,087の事業所が18,470人の労働者を解雇した結果としている。

しかしながら同庁は、2020年7月以降はダバオ地方の経済が徐々に回復した結果、2020年の雇用率は93.2%となり、失業率は6.8%まで低下したと付け加えている。2021年4月30日時点で、新型コロナウィルス省庁間タスクフォース(IATF)は、ダバオ市以外のダバオ地方は最も感染リスク低い緩和された隔離措置(MGCQ)に設定している。