フィリピンの大学は、おおよそ5~7月に卒業式を執り行っているという。日本でもコロナ禍の卒業式や入学式の様子がテレビで伝えられていたが、ダバオ市ではどうなるのであろうか?
ダバオ市役所の決断は、対面での卒業式を“執り行わない”というものだった。4月19日、災害ラジオに出演したサラ・ドゥテルテ=カルピオ市長は、従来執り行っている卒業式は人が密集する状態を生んでしまいソーシャルディスタンスを確保できないと語った。そのため、一部の学校から対面での卒業式をおこなう許可申請があったものの、断ったという。
フィリピンでは、依然として対面での学校活動がほとんど禁止されている。また、ダバオ市でも市長令12‐Bの19項にも「新しい指示が出されて停止解除となるまで、幼稚園から大学院までの対面もしくは対人の授業は禁止する」と書かれている。ただし、「大学および大学院では、研究もしくは調査を目的とする場合は対面もしくは対人での授業を許可する。その際、1メートル以上のソーシャルディスタンス確保は必須であり、食事・会議・集団医療も禁止とする」という記載もあり、わずかであるが許可されている部分もあるという。
以上のような状況を踏まえ、ほとんどの学校はオンラインで卒業式を執り行う予定となっている。
現状では、基本的に対面での学校活動のほとんどは禁止されていると言ってよい。卒業式だけでなく、スポーツや課外活動もできる状況ではない。子どもたちが学校に行く意味は、学習だけでなく、集団の中で役割を与えられて活躍する体験、友だちとけんかしてしまったときに自己を振り返る体験などの“心”を育むことも含む。感染対策を講じての学校再開、もしくはワクチンの普及で状況が変わってくることを願うばかりだ。