【News】労働者組合が最低賃金の引き上げを要求

4月6日(火)、新型コロナウィルスの影響で失業者が増加する中、暫く改定されていないダバオ地方における最低賃金の引き上げを求める動きが活発化してきている。ダバオデル・ノーテ州のバナナ農場の労働者らでつくる組合は、最低賃金を1日100ペソ上げるよう求める請願書を関係当局に提出した。

労働組合の代表は地元紙の取材に対し、農業従事者や非農業従事者らの日当を1日にあたり100ペソ上げるよう当局に求めていると明かし、この措置は10名以上の従業員を抱える全ての事業所に対し適用されるべきだと語った。ダバオ地方における最低賃金の引き上げが前回実施されたのは2019年2月である。

2020年は新型コロナウィルスの世界的な流行を受けてダバオ地方の企業や個人事業主らの休業や倒産などが相次いでおり最低賃金の改定が見送られた。しかしながら昨年12月頃から同地方においてアフリカ豚熱(ASF)の拡大などで生鮮食品価格が高騰しており、労働者は今の最低賃金だと生活が成り立たないという。

組合代表者は、1日100ペソの賃上げは労働者やその家族にとって十分な金額とは正直言えないが、100ペソであっても賃上げが実施されることで労働者にとっては物価の上昇に対して安心を得ることができると述べている。この地方の最低賃金は現在一日396ペソであり、改定前は一日381ペソで前回の改定では3.9%上昇している。

労働雇用省ダバオ支部は、賃上げの嘆願書は既に組合から受け取っており今後議論していくという。しかしながらダバオ市の飲食店オーナーらでつくる団体は新型コロナウィルスによる隔離措置や外出禁止令が発出されている今の時期に労働者の賃上げを行うことは反対だとしている。

同団体は、今賃金を上げることで一般的には賃上げされた価格を最終的に消費者へと転嫁せざるを得ない状況になることを危惧をしており、また、飲食店は外食する人が激減した結果、ほとんど全ての店舗でキャッシュフローの問題を抱えているため、実質的に難しいだろうと述べている。

ダバオ市の場合、昨年から市内で継続されている隔離措置や移動制限の影響で観光施設の65%が閉鎖され、現在も営業できているのは35%だけであると報告されている。またワクチンの接種状況もおよそ16,000人の医療従事者や関係者に開始されたばかりで、市が目標としている市民120万人への接種を達成できるのは来年以降とされている。

そのため、今賃上げを実施することで休業や倒産に追い込まれる企業や事業者がさらに増え、そのことが原因で失業する労働者も増加すると予測されており、賃上げによる労働者の生活向上と企業や事業者の休業や倒産を防ぐためのバランスが非常に難しい状況である。