【News】スポーツに関する法案、ダバオからも懸念相次ぐ

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「未成年者は、フルコンタクトのスポーツをすることを禁じる」、フィリピンでは今、このような法案が審議中だという。この法案に対し、国内各地のアスリートから反対意見が相次いで出されている。

AIBA女子世界ボクシング2019チャンピオンのナスシー・アルカイデ・ペテシオ氏は、父親からボクシングを習ったという。ボクシングを始めたのは11歳のことだった。27歳のペテシオ氏は、「ボクサーのようなアスリートたちは全員、試合を許可されるためにメディカルチェックがおこなわれる。事故はスポーツでだけじゃなく、日常でも起こる」と語った。この法案に対し、同氏は疑問をもっている。

世界サンボチャンピオンシップ2020にて女子銅メダリストとなったシドニー・シ・タンコンシャン氏は、 聖トマス大学 (the University of Santo Tomas:UST)の柔道チームに所属している。タンコンシャン氏も、この法案に反対している。子どもの頃から柔道の草の根プログラムに参加し強くなった同氏は、「今日の自分があるのは、柔道のおかげだ」と語っている。同氏は、スポーツが人間を形成と強く語った。この法案が可決されると、18歳未満のアスリートの才能はただの見世物になってしまうと、同氏は強い懸念感をあらわにした。

ダバオからも同様の声が上がっている。ダバオ空手道推進連盟(Association of the Advancement of Karatedo:AAK)のロメル・タン氏は、法案が法律になると影響があると危惧している。「有望な選手を若いうちからトレーニングできなくなる。若いアスリートを守っていかなければならない」と、同氏は語った。

柔道やボクシングなど、直接打撃をともなうスポーツには怪我の危険性がつきものかもしれない。しかし、怪我をしないために柔道では受身を学ぶし、直接打撃をともなうスポーツに取り組みことで、相手を思いやる気持ちも生まれるのではないだろうか。

この法案は撤回されることになるのか、その行く末を見守りたい。