【コラム】セジマかな…サウシマかな…新たな証言を映画のカメラが捉えた瞬間

もう一つ、重要なシーンをカメラは収めている。2019年2月、急きょロケ隊がダバオに飛んだ。ダバオの日本領事館開所式の様子を撮るためだった。ここで、テオドロ・ロクシン外務長官と河野太郎外務大臣(当時・現防衛大臣)、日比両国の外務トップが同席、河合弁護士が「このままでは問題が解決する前に消滅してしまう」と声をかけると、「しっかり頑張ります」と河野さんが応じたのだ。

日本文化に造詣が深いロクシン長官は、後日、フィリピン残留日本人への日本政府の対応について「サムライの末裔に国籍を与えない日本は不思議の国」とツイートを発信した。

ロクシン外務長官ツイッター

「私たちはフィリピン国籍をいつでも提供する用意があるし、登録手続きはいつでも始められる。とはいえ、彼らの願いは日本人になることである。ところが日本の国会はどうやらその声を聴こうとはしていない。そんな状況にあってもなお、彼らは近代の日本の侍の末裔たちなのである。不思議な国である。」(2019年9月19日)