【コラム】ダバオとの出会い~ ダバオを初めて訪れたときのことなど~(1)

どこの駅だったかは思い出せないが、さほど大きな駅ではなく、地理不案内の私たちは、この先どうすれば良いのか途方にくれた。幸いなことに駅には1台のタクシーが止まっていて、何とか宿泊先のホテルまでたどり着くことができたのである。

翌日は台風一過、前日とはうって変わっての晴天であった。S氏と成田空港で出会い、マニラまでのフィリピン航空の飛行機に搭乗した。マニラ空港では第二ターミナルに到着し、入国手続きを済ませた後、ダバオへの飛行に向けて、同じ第二ターミナルのドメスティック側に移動した。

ニノイアキノ国際空港第2ターミナル

マニラ空港の第二ターミナルは、日本のODA援助によって、その建設を支援したターミナルであるが、良く言えば搭乗・乗換えなどの空港が持つ第一義的な機能本位に作られており、国際線と国内線の乗り換えは極めて短時間でスムーズに行える。一方でこのあまりにも簡略なつくりから、このターミナルも含めマニラ国際空港は、世界ワースト空港の常連でもある(もちろんワーストである理由には他のターミナルやターミナル間移動などさまざまな問題を含んでいた)。

マニラからダバオまでの機材は国際線の間合い利用であったのだろうか、旅客サイズに似合わないボーイング747であった。かなりくたびれたこの機体はどこか中東の国の航空会社で使われた中古機であったのだろうか、機内のあちこちにアラビヤあたりのものらしい文字で書かれた標識が多く残されていた。