ダバオ市の健康委員会で議長を務めるMary Joselle Villafuerte氏は、今後子どもの予防接種を拒否する保護者は、育児放棄の責任を問われる可能性があると述べた。さらに保護者が子どもに適切な医療を与えないことは怠慢である、と言葉を強めた。
同氏は市議会で、予防接種を義務付ける条例の提唱を続けており、義務教育がはじまる前に予防接種を子ども全員に受けさせるべきだとしている。同時にワクチンの接種率を高めるため、教育省に支援を求めているという。
しかし、ワクチンの接種を拒否する親にも理由がある。フィリピンでは2016年に国家プロジェクトとして、フランスの製薬会社サノフィ社が開発したデング熱ワクチンを70万人以上の子どもに投与した。
しかしその後サノフィ社は「デング熱に罹ったことのない者がワクチンを接種し、デング熱に罹った場合、重症化する可能性がある」という旨を発表した。そして2016年4月、11歳の少年がデング熱により亡くなり、ワクチンとの関連性が証明されると、全国的に予防接種に対する恐慌が巻き起こった。今でもフィリピンでは予防接種に対する不信感が強い。
Villafuerte氏は、地域の医療機関や専門家と協力しながら、地道に保護者へ啓もう活動を行っている。また、今年ダバオ市で行われた無料のポリオワクチン投与キャンペーンでは、対象者の99.48%をカバーすることに成功しており、予定されている2回目のキャンペーンも成功する可能性が高いという。
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