【News】デング熱、予防接種で重症化の可能性が発覚し、公的接種を中止

フィリピン保健省(以降、DOH)は12月1日、フランスの製薬大手サノフィ(Sanofi)が開発した、致死性のデング熱の原因となるデングウイルスに対する世界初のワクチンの公的接種を中止したと発表した。

同社が11月29日に公表した臨床試験データによると、過去にデング熱のウイルスに感染したことのない患者が、同ワクチンを接種後30か月以内にデング熱に感染した場合、従来よりも症状が重症化する可能性があることが分かった。

フィリピンのフランシスコ・デュッケ保健相は、ワクチン接種により深刻な症状が出る可能性があるとのデータを受け、接種を直ちに中止し、専門家や世界保健機関(WHO)らとの見直しや協議を進めていると語り、現在まで同ワクチン接種による重症例は報告されていないことを強調した。
また、過去にデング熱への感染経験がなく、同ワクチンの接種を受けた市民を特定するために、中央ルゾン、カラバルゾン、そして首都圏(NCR)の各学校とも協力していくとも付け加えた。

また、DOHの報道官は、2016年に開始されたDOHのワクチンプログラムを利用し無料のデング熱ワクチンを受けた子供の人数が合計で733,713人に上ることも発表した。しかし、ワクチンの接種を受けた全ての子供が危険というわけではなく、ワクチンを受けた子供たちの内、デング熱を未経験であったのは8~10%程度だとしている。