バナナが世界への主要輸出品目として知られるフィリピン。近年、世界市場でその競争が激しくなってきている。このような背景を受けて、バナナの品種に含まれるキャベンディッシュ、サバ、カルダバおよび製品加工に対応できるバナナ研究所が設立される予定だ。この研究所の設立計画はバナナ産業開発審議会の2019-2020版産業ロードマップに含まれている。
フィリピンでは植物の病気や、新種の害虫を研究できる施設が不足している。そのため、国際市場での競争的に長けていない。しかし、これらの研究能力を有した施設があれば、害虫や病原体への抵抗性が備わった組織培養を生み出すことが可能になる。
国際市場を勝ち抜くためには、規模の大小に関わらず、バナナ生産者が団結していくことが不可欠だ。バリュー・チェーン手法を通じて包括的な成長を目指すために、業界関係者を纏める仕組みの確立が急がれる。
特にミンダナオ地方では、バナナが最大の輸出品であることを考慮すると、ミンダナオこそ、バナナ研究所設立のための資金確保を検討すべきだろう。研究施設がミンダナオに設立されれば、ミンダナオ、そしてフィリピンにおけるバナナ産業の発展に大きく貢献するだろう。