ダバオ市保健局(CHO:Davao City Health Office)は、現在、フィリピン国内のソーシャルメディアなどで騒がれている日本脳炎(Japanese Encephalitis)の流行について、「今年に入ってから、ダバオ市内で日本脳炎の感染症例はない」と報告を行った。
市保健局の局長であるヴィラフエルト博士は、インタビューで、「フィリピン保健省ダバオ地域事務所の報告によると、9月5日現在、ダバオ市では日本脳炎の感染報告がありません。」と述べている。また、一部インターネットで報告された市内に住む52歳の男性患者について触れ、その症例は昨年のものであると報告、男性患者は入院の数日後に退院している。
博士は、「しかしながら、この病気の脅威は、どこにでもいる蚊がウイルスを媒介することである。 感染した蚊に刺された人は、刺されてから約8日後に発症する為、 感染に気付くことが遅く、病気が悪化する前に別の場所に移動する可能性もある」と続け、「ウィルスを保持していない蚊が日本脳炎を感染している人に刺した場合、その蚊はウィルスを運ぶ 可能性が高い」と話している。
保健省の報告によると、日本脳炎は、デング熱、黄熱、ジカに関連するアルボウイルスを保持する蚊に起因する 疾患であるとのこと。高熱、吐き気、嘔吐、寒気などの症状を伴う。4日間以上発熱し、嘔吐で苦しんでいる場合は、 直ちに医者に相談するよう、勧めている。患者に有効な特定の治療法はまだ判明していないが、一般的に、入院し、病院での介護と 経過観察が必要とされている。
フィリピン保健省中央事務所は、2017年の日本脳炎による死亡者は、9人と報告。全員がルソン島で感染している。 報告されている133件の感染のうち、53件はメトロマニラのある中部ルソンとのこと。都市部での拡大が 懸念されている。「今年の報告件数は昨年よりも少ないが、政府が提供する全国予防接種プログラムは引き続き行われる」と述べている。