【News】ダバオ-サマル橋、DPWHが「停止していないが、法的問題がある」ことを認める

サマル島

公共事業道路省(以下DPWH)は7月1日、サマル島とダバオ市を繋ぐ230億ペソ規模の橋プロジェクトは停止していないと明らかにしたが、対処すべき法的問題があることを認めた。「建設は止まっていない。しかし例えばサマル島側では、土地所有の問題に追われている」と、マヌエル・ボノアン公共事業道路大臣は、同日ダバオ市沿岸バイパス道路開通式で語った。

一方で同氏は、こういった問題がプロジェクトの建設に影響を与えることはないとした。「この問題についての最初の解決は、上級裁判所に持ち越された。我々は意見を求められているだけだと考えている。この問題が建設のスケジュールに影響することはない。すぐに解決することを願っている」とのことだ。

ボノアン大臣によると、DPWHは現在、詳細設計(DED)の最終段階に入っており、年内にプロジェクトの初期工事を開始する予定だという。「あと数ヶ月で橋の初期工事を開始することができる。現在幾つか進行中の問題があるが、プロジェクトが進むことを確信している」という。

DPWHはまず、ダバオ市側での建設開始を目指しており、既に請負業者は決まっているとのことだ。しかしサマル島側では、影響を受けるビーチリゾート所有者であるロドリゲス一家の顧問弁護士ラモン・エジソン・C・バタカン氏が、工事が止まっているのは必要な詳細設計が不足しているためだと主張している。

フィリピン国家経済開発庁ダバオ地方事務所(以下NEDA11)のマリア・ルーデス・D・ リム局長は、この橋プロジェクトの用地取得と地盤調査は、DPWH統合プロジェクト管理オフィスの報告書に基づき、1月以来中断していると報告した。リム氏によれば、ダバオ市側での交渉は完了したが、サマル島側では協議が続行しているという。

ロドリゲス一家は、プロジェクトに対する保全命令を求め、設計の再評価のため最高裁判所で係争中である。

ダバオ市側の工事の目処は立っているが、サマル島側では困難を極めているようだ。地主との交渉は2020年の時点から難航しており、さらに環境団体からの指摘も相次いでいる。傍目には一向に進んでいないこのプロジェクトが完了する日は来るのだろうか。

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