フィリピン政府は、農業に攻撃的な態度で臨む日本に対し、自由貿易協定(以下FTA)の時期一般見直しを求めている。貿易記者とのインタビューで、特別貿易代表Dita Angara-Mathay氏は、ミンダナオのトロピカルフルーツの生産者が、フィリピンから日本に輸入するバナナやパイナップルに対する季節関税を撤廃するよう打診していることを語った。
貿易産業省(以下DTI)によると、フィリピンからの輸入バナナは、冬季には18%、夏季には8%の関税が課せられているという。これは日本・フィリピン経済連携協定(PJEPA)によるものである。
同氏は、フィリピン産バナナは日本の市場シェアをエクアドルやペルー産のバナナの台頭により失いつつあると述べた。これらの国々から輸出されたバナナは日本では関税が掛からないためだ。「一時期はフィリピン産バナナは90%台後半のシェアを誇っていた。現在は70%程度だと思う。陸揚げ費はエクアドルの方が高いが、我々はシェアを失いつつある。そしてこの件については研究が必要だ」と同氏は語った。
DTI次官のGlenn Peñaranda氏は、日本の輸入バナナにおけるフィリピンの市場シェアは、全体の76%にあたる約8億4,400万トンであると付け加えた。「我々はこの数字を少なくとも維持、あるいは政策転換により増加させたいと考えている」という。
両通商担当者は、トロピカルフルーツに課せられる関税の改正は、PJEPA全体の見直しを通じて行うことを明かした。「我々が支配的な立場にあることは理解しているだろう。フィリピンのバナナは本当に美味しいと思う。それから、日本との距離の近さがある。それが我々の強みとなる」と同氏は語った。