2022年1月10日(月)、フィリピン国家警察ダバオ地方支部は、ダバオ地方内の警察署に訪問する人がいる場合、所内に入場するためには新型コロナウィルスのワクチン接種証明書を提示するよう求め、提示されない場合は同署への入場を禁じる措置を求める要望をマニラ本部宛に提出した。該当するのはダバオ地方全ての州と、ダバオ市内も含む6つの市町村となる。
国家警察ダバオ支部によれば、オミクロン株を含む新型コロナウィルスの感染が署員に拡大すれば、本来の業務に支障が出ることが懸案となり、職員の健康と安全確保の観点からワクチン未接種者は署内への入場することを禁じる措置を講じたいとしている。もちらん、何かの用がある人々らには警察署以外で手続きなどができるような体制をつくる予定だとも付け加えた。
しかしながら、この発表に対してインターネットユーザーらは「ワクチン接種済み証明書が無ければ移動も出来なくなるのでは?」、「なんて横暴だ!」等と猛反発し、国家警察は釈明に追われている。同警察は、ワクチン接種を終えたもの、未接種の者に限らず、地域間の移動は保証されており、行政が法的に未接種者の入退場を条例などで定め施行した場合のみ、警察は取り締まりが可能であると述べている。
同警察ダバオ支部所長は、一連の報道に対して、国家警察は通常通りの行政サービスを提供するとコメントしている。また、ダバオ地方でワクチン接種を終えた警察官は全部で9301名、率にして99.27%、233名が2回目の接種を待っている状況で、ワクチン未接種者は58名だとしている。健康・医療上の理由以外の未接種者は20名で宗教的な理由だと発表している。
2022年1月9日(日)現在、ダバオ地方でオミクロン株を発症した患者は確認されていない。しかしながら、保健省(DOH)によるとフィリピン全体では、9日(日)午後4時点で28,707名の新型コロナウィルス感染者が確認されているという。この新規感染者数は一日としては過去最も多い記録となった。マニラ首都圏では先週月曜日からは警戒レベルが3とより厳しい措置が導入されているが、感染増加が止まらない状況となっている。